35歳以上が転職を考えるきっかけ 「待遇が悪い」「会社の将来性に不安」を超えた1位は？

ミドル世代が転職を意識するきっかけとは。エン・ジャパン（東京都新宿区）が調査を実施した。

[サトウナナミ，ITmedia]

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　キャリアの成熟とともに、価値観やライフステージに変化が生まれるミドル世代。働き方や将来への見通しを見直す中で、転職を考える人も少なくない。では、彼らが転職を意識するきっかけとは――。転職サービス『ミドルの転職』を手掛けるエン・ジャパン（東京都新宿区）が、サービスを利用する35歳以上のユーザーに調査し、2092人から回答を得た。

ミドル世代の「転職理由」実態調査（写真AC）

35歳以上のミドル世代が「転職を考えたきっかけ」

　転職を考えたきっかけについて、最も多い回答は「会社の考え・風土に違和感を覚えた」で全体の50％に上った。同回答は、30〜50代の全ての世代で最多となり、特に40代では52％と半数を超える結果となった。2位は「業界・会社の将来性への不安」（40％）が続いた。

　また「給与・待遇・福利厚生が悪かった」と回答した人は、30代は37％、50代は20％と、17ポイントの差が見られた。

転職を考えたきっかけ（エン・ジャパン調べ）

【年代別】転職を考えたきっかけ（エン・ジャパン調べ）

　回答者からは以下のような声が上がった。

• 年功序列の昇進制度だったため、頑張っても昇進できない状況だった（30代男性）
• 子どもが独立し家のローンも完済しているので、自分がやりたいと感じる仕事がしたくなった（50代男性）
• 数年間の出向から戻ると、若い社員が増え、会社の雰囲気が変わっていた。このままではキャリアアップの余地はないと考え、転職を決意した（50代女性）

転職で最も実現したいことは？

　転職で最も実現したいことの1位は「給与・待遇のアップ」で27％。「経験・能力が生かせるポジションへの転職」（24％）、「やりたい仕事ができる環境での就業」（12％）と続いた。

転職で最も実現したいこと（エン・ジャパン調べ）

　年代別で見ると、30代・40代は「給与・待遇のアップ」（30代：37％、40代：31％）、50代は「経験・能力が生かせるポジションへの転職」（26％）が最多となった。

　回答者からは次のようなコメントが挙がった。

• 物価も高騰しており、自由に使えるお金が少なく家族に恩返しできない（30代女性）
• 年齢的に働ける期限があるので、どうせなら本当にやってみたいことにチャレンジしたい（50代男性）

転職を考える上で不安に感じることは？

　転職を考える上で不安に感じることでは、30代・40代は「これまでの経験・スキルが通用するか」（30代：50％、40代：55％）、50代は「年齢について」（58％）がそれぞれ最多となった。

転職を考える上で不安に感じること（エン・ジャパン調べ）

　「年齢について」と回答した人は、30代が39％だったのに対し、50代では58％と、大きく差が開いた。また、「自分の希望する求人の有無」とした人は30代が35％、50代が47％となり、10ポイント以上の差が見られた。その他、「自分の市場価値」を不安視する30代は47％に上った一方で、50代は36％にとどまった。年代ごとに不安に感じる点が異なることが明らかになった。

　若手時代に転職した経験が「ある」と回答した人は51％と半数を超えた。また、そのうちの71％が当時と比べて転職理由に変化を「感じる」と回答した。

　転職理由に変化を感じる理由については、次のようなコメントが集まった。

• 20代の頃は自分のための転職を決意したが、現在は自分よりも家族のために転職を検討している（30代男性）
• 若手時代は目先のことしか考えず転職をしていたが、今は将来も見据えて、定年後を想定した転職を考えている（50代女性）

　調査は3月10〜31日に実施。同社の運営する転職サイト「ミドルの転職」を利用する35歳以上のユーザーを対象とした。有効回答数は2092人。