「朝サイゼ」開始で競争激化!? 喫茶店以外でも参入が進む「朝食戦争」 24時間提供するチェーンも:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/5 ページ)
喫茶店にとどまらず、さまざまな業態の飲食チェーンがモーニングを提供し始めている。各社のメニュー戦略を解説する。
衝撃だったびっくりドンキーのモーニング
まずは、ファミレス。主な利用者は、当然ファミリーである。しかし、びっくりドンキーの店舗に行ってみると、各席に無料で充電できるコンセントを配置し、無料Wi-Fiが使える環境を整備している店もある。テレワークを目的とする人や、定年退職したシニアの朝食需要を開拓している。
これは、すかいらーくがガストなどの店舗で始めた戦略にならったものだ。
びっくりドンキーでは、2020年4月に一部の店で実験的にモーニングを開始。翌年に本格的に導入して全国に拡大、2年後には客数が2倍に成長し、定着している。
平日の午前10時頃に店を訪問したが、半分くらいの席が埋まっている。1人で来ているビジネスパーソン、シニアが多かったが、老夫婦や4人ほどの老婦人のグループもいた。
メニューは、シンプルな厚切りトースト、ゆで卵、ドリンクの「プレーントーストセット」(380円〜)が定番だ。厚切りトーストに、目玉焼き、サラダ、ソーセージ、ベーコンなどをワンプレートにした、ドリンクセットの「ドンキースペシャルブレックファスト」(880円〜)というリッチなメニューもある。
ご飯ものでは、ハンバーグソースをかけて食べる「朝の新定番!卵かけご飯」(330円)。当然、ハンバーグのメニューもある。朝限定のコーヒーおかわり自由も好評だという。
ガストや「ロイヤルホスト」「デニーズ」などのファミリーレストランは、コロナ禍以前からモーニングメニューを提供していた。一方、びっくりドンキーは、これらのチェーンとは異なり、喫茶目的で利用されることは少なく、「ハンバーグをがっつり食べる店」というイメージが強い。びっくりドンキーのモーニング参入は驚いたが、狙いは当たった。
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