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不正相次ぐ「日本郵政グループ」 社長交代でも全く喜べない深刻な理由(3/5 ページ)
不祥事が相次いでいる日本郵政。このたび社長交代に至ったが、果たして組織風土は変わるのか。
なぜ、この問題が放置され続けているのか
このような根本的な問題が放置されている要因の一つは、自社ビジネスの現場である郵便局勤務経験のない旧官僚たちが、組織の経営および組織運営の中枢を担っているという点にありそうです。日本郵政の幹部職員は、その多くが民営化以前の公社時代に旧郵政官僚から転じており、現在も持株会社および子会社幹部層の相当数を占めています。
上位下達の官僚文化に染まった人たちの配下では風通しなどないに等しく、机上論に偏った指示・命令が下されようとも、現場は反論・抵抗の余地がないまま指示順守優先の業務姿勢に陥り、不祥事を生む組織風土醸成の温床となっていくのです。
この点に関しては、今般退任した日本郵政前社長の増田寛也氏が退任発表後のインタビューで、首脳陣の現場感覚が弱かったことを認めています。具体的には、本社の指示を現場に伝える「翻訳」が不足して郵便局の現場では「時代遅れの規範意識が薄い組織風土が常態化していた」。すなわち組織内における中枢と現場が分離した風通しの悪さが不祥事を生む組織構造をつくりあげていたと、自社分析しているのです。
増田氏はかんぽ生命で顧客に不利益になる契約を乱発していた不祥事を受けて、その原因たる組織風土改革を最重要ミッションとして2020年にトップへ就任しています。しかしながら、前述の通りその後も組織風土に起因した不祥事は一向に止むことがなく、企業統治改革、風土改革は思うようにはかどらないままに組織を去ることになったのです。日本郵政の病巣の根深さを改めて感じさせられる限りです。
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