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セブンもファミマも取り組む「無人コンビニ」はなぜ、普及しないのか 実際に行って分かった「限界」(1/4 ページ)

都内を中心にちょこちょこ見かける「無人コンビニ」。今後、国内で増えていくのか。実際に店舗を訪問し、考えてみる。

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著者プロフィール

山口伸

経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_


 店員がいない「無人コンビニ」が都内に出現している。JR東日本の「NewDays」は、キャッシュレス専用のセルフレジを置いた無人店舗を展開。陳列や清掃は店員が行うが、従業員は常駐していない。

 セブン‐イレブンも工場やオフィス内での出店を想定したコンパクト店舗を開発した。より先進的な例では、無人店舗などを手掛けるTOUCH TO GO(東京都港区)が店内のAIカメラを基に、客がレジでスキャンしなくても商品を検出するレジシステムを開発している。

 これらの店舗、技術は人手不足の解消に貢献するといわれているが、課題も多いとみられ、全国的な展開に至ってない。国外に目を移すと、米中では事業者の苦戦も見られる。実際に店舗を訪れ、国内で普及する可能性を考えていく。


無人コンビニは今後、どうなっていくのか?(写真はファミマ!!サピアタワーS店、筆者撮影)

首都圏に無人店を展開するNewDays

 JR東日本の駅ナカコンビニとして知られるNewDaysは、首都圏に無人店舗を展開している。新宿駅構内にある新宿新南口店もその一つだ。

 同店舗は駅ナカの狭い角地にある店舗で、棚数は10個程度。およそ半分がおにぎり、パンなどの軽食を主とする棚で、残りの半分は飲み物類の棚だ。マスク、文房具などの非食品を並べる棚は1つだけ置いてある。レジは3台あり、全て現金不可のセルフレジだ。


新宿駅構内にある、NewDaysの無人店(筆者撮影)

 店の裏が倉庫となっており、店員は陳列の際しか姿を見せない。店外には「CASH LESS・SELF CHECKOUT SHOP」の記載があり、ステンレスの内装はどこか近未来感を覚える。

 同様の店舗は首都圏の随所にあり、千葉県の松戸駅構内にもある。新宿店と同じような商品構成で、現金不可のセルフレジが2台ある。筆者が訪れた際は店員が清掃していた。レジは無人化できるが、陳列と清掃の無人化は現時点で実現できていないようだ。

 JR東日本は2019年7月、武蔵境駅にセルフレジ専用キャッシュレス・無人店舗の1号店を出店した。キャッシュレスの最大のメリットは運営者側が現金を収集する必要がない点だ。駅ナカならSuica利用客も多く、現金不可でも客離れが進む心配はない。

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