セブンもファミマも取り組む「無人コンビニ」はなぜ、普及しないのか 実際に行って分かった「限界」(3/4 ページ)
都内を中心にちょこちょこ見かける「無人コンビニ」。今後、国内で増えていくのか。実際に店舗を訪問し、考えてみる。
無人決済店舗に行って分かった「限界」
JR東日本スタートアップとサインポストが2019年に設立した合弁企業のTOUCH TO GOは、無人決済店舗システムの「TTG-SENSE」を開発している。導入店舗ではAIカメラや重量センサーを活用して客の購買行動を追跡。取得した商品を自動でレジに表示するため、客はスキャン作業が不要である。
高輪ゲートウェイ駅構内にあるTOUCH TO GOの店舗を訪れた。天井には至る所にカメラを設置してあるが、それ以外は普通のコンビニと同じような店舗だ。
飲料のほか、食品はパンやサンドイッチ、菓子類など軽食がメインである。AIカメラで読み取りやすくするためか、商品同士の間隔は通常のコンビニよりやや広めだ。セルフレジでスキャンする必要はなく、AIカメラが読み取った情報を基に会計金額を算出する。2台あるセルフレジでは現金も使用可能である。
スキャン不要な点を謳っているが、精度は完璧ではないようだ。筆者は高輪店で飲み物を1つ手に取った後、菓子を取り出して戻し、パンを1個手にとった。つまり、飲み物1つとパン1つでレジに向かった。だが、レジにはパンが2つと表示されていた。レジには修正機能があるため、それを使用し、修正して会計した。
TTG-SENSEを利用する場合、初期投資額は400万円〜、月額利用料として3万円〜を別途支払う(買い切りの場合)。リースでは、毎月の実質的な支払い額を約9万円にするプランも用意している。
【2025年8月13日午後3時、TTG-SENSEの導入金額を最新のものに修正しました。】
同社はファミリーマートと資本業務提携を結んでおり、2021年に出店した「ファミマ!!サピアタワー/S店」では無人決済システムを導入している。「S店」とは、近くにある店舗のサテライト店という意味で、規模が小さい店舗を意味する。2023年には大阪府の病院内に「ファミリーマートTouch To Go i-Mall店」を出店した。いずれも路面店よりは狭く、同システムの展開は現段階で小型店に限られる。
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