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スクエニ「10年ゲーム」も相次ぎ終了 ふるさと納税で見えた業界の行方(2/2 ページ)

スマートフォン向けゲームの世界に変化の兆しが見えている。MIXIは、「モンスターストライク」内で使われるゲーム通貨「オーブ」を東京都渋谷区のふるさと納税の返礼品として提供し始めた。背景には……。

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産経新聞
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「ガチャ」で浪費懸念

 渋谷区のケースが問題視されている理由の一つには、返礼品が「ガチャ」と呼ばれるくじを引くために使用されることもある。ガチャでは、ゲーム運営者が当選確率を自由に設定することができ、利用者が欲しいキャラクターやアイテムを手に入れられるかは不透明で、“浪費”に終わることもあり得る。

 渋谷区の返礼品をゲーム内通貨として、ネットサービスを利用できる金銭的な価値を持ったものととらえると、漫画や動画配信など、ゲーム以外のスマホアプリで使われるアプリ内通貨も返礼品と認められる可能性も出てくる。そうなると、規制の対象となっている「金券」や「仲介サイトでのポイント付与」などとの整合性が取れなくなる懸念もある。ネット上では、「画期的な返礼品」との評価する一方で、「返礼品としてありなのか」「限定グッズの方がよかった」の意見がゲーム愛好家から出ており、賛否が分かれている。

業界は冬の時代に

 MIXIがふるさと納税に参入した背景には、スマホゲームの運営維持が難しくなっている現状がある。

 日本オンラインゲーム協会(JOGA)の調査によると、2024年の国内のオンラインゲーム市場は1兆105億円で、19年の1兆3530億円から右肩下がりを続けている。一方でスマホゲームの開発費用は1本あたり平均約5億円と、過去10年で4.7倍になり、ヒット作が生まれにくい状況となっている。

 スクウェア・エニックスは25日、「星のドラゴンクエスト(星ドラ)」と「ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス(FFBE)」をそれぞれ10月31日で終了すると発表した。いずれも15年10月にサービスを開始しており、10年間の継続で開発環境が複雑化し、運営費が高止まりしていることなどが一因となった。

 13年続く「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」で知られるガンホー・オンライン・エンターテイメントは、パズドラ以降にヒット作がないことなどを理由に、アクティビスト(物言う株主)から社長の解任提案を受ける事態となっている。長期間サービスを継続しているゲームとはいえ、定期的なテコ入れが求められ、収益を確保できなければ容赦なくサ終の憂き目にあう。スマホゲームは「冬の時代」に突入しつつある。(高木克聡)

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