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どこまで伸びる? 都内・近郊で予定している鉄道延伸・新設計画の行方(3/3 ページ)

すでに鉄道網が張り巡らされている東京圏だが、実はまだまだ新設や延伸計画が進んでいる最中だ。その一部を解説する。

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JRが進める「羽田空港アクセス線」

 羽田空港への交通手段は現状、京急か東京モノレール、リムジンバスなどがあるが、今後はJRも加わる予定だ。第2ターミナル付近の地下に新駅を設け「羽田空港アクセス線」を仮称する。

 接続方法には新宿・池袋方面につながる「西山手ルート」、東京駅に向かう「東山手ルート」、りんかい線と直通し新木場まで向かう「臨海部ルート」の3案が出ている。東京貨物ターミナルまでは共通だが、以北で分かれる形だ。

 3案のうち、東山手ルートは2023年6月に着工済みだ。現状は東京駅から羽田空港まで30分程度かかるが、JRによると開通後は乗り換えなしの18分で行けるようになるといい、2031年度の開業を予定している。新橋や浜松町などで乗り換える現在のルートと比較して利便性がかなり向上し、京急や東京モノレールの利用者数に影響が出るかもしれない。

 東京メトロおよびJRの計画はすでに一部で工事が進むが、TXの延伸や都心部・臨海地域地下鉄は未着工だ。歴史を振り返れば、押上〜東京駅を結ぶ「都心直結線」が事実上の凍結状態となり、東武線の起点を現在の浅草ではなく、もっと都心寄りとする計画が頓挫(とんざ)した。TX延伸、都心部・臨海地域地下鉄は実現するのか、冷静に見ておきたい。

著者プロフィール

山口伸

経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_


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