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定食チェーンの雄「大戸屋」と「やよい軒」、なぜ店舗数が頭打ちに? カギを握る要素とは(2/3 ページ)
定食チェーンとしてしのぎを削る大戸屋とやよい軒だが、近年は店舗数が伸び悩んでいる。今後、成長を目指す上でカギを握る要素とは何なのだろうか。
こだわりがアダとなった大戸屋
大戸屋は「手作り感」にこだわってきた。本来、チェーン店はセントラルキッチンを持つのが当たり前だが、コロナ禍以前の大戸屋はセントラルキッチンを持たず、個人店のように店内調理を行っていた。
肉や魚は店内で焼き、野菜もカット品を使わず店内で仕込んでいた。そのため物価高に耐えられなかった。2010年代後半に相次ぎ値上げを実施し、客離れが進行。売り上げも減少に転じた。値上げ以上に品質を訴求できず「高い」イメージが先行してしまった。
その後、外食大手のコロワイドが大戸屋を子会社化した。コロナ禍の影響で一時は債務超過に陥ったが、これを解消し、現在は持ち直している。コロワイドが進めたのはチェーンらしい効率化だ。セントラルキッチンを導入して1次加工を工場で行い、店内の負担を減らした。
以前は料理の提供時間が遅いという課題があったが、短縮に成功している。ただし、焼く・煮込むなどの工程は店内で行っており、大戸屋は現在でも店内調理をウリにしている。対するやよい軒はセントラルキッチンでの調理が基本だ。プレナスが運営する「ほっともっと」と同じ工場で加工しており、素材を共通化している。
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