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WalmartとTarget、小売の巨人がAI戦略を強化 逆風下でもテクノロジー投資加速Retail Dive

WalmartとTargetは、最新の決算説明会でAI関連の取り組みを拡大し、その潜在的な効果をアピールした。両社は長年の技術基盤への投資を生かしながら導入を進めている。

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 厳しい経済環境や米中貿易摩擦への懸念が渦巻く中、世界最大の小売企業はAIへの投資をさらに強化している。

 Walmart(ウォルマート)とTarget(ターゲット)は、最新の決算説明会でAI関連の取り組みを拡大し、その潜在的な効果をアピールした。両社は長年の技術基盤への投資を生かしながら導入を進めている。

 「AIによってお客さまや会員へのサービスを向上させ、従業員(アソシエイト)の体験を改善し、生産性を高められるという期待はますます高まっている」――。Walmartのダグ・マクミロン社長兼CEOは木曜日の決算説明会でこう語った。


2025年7月7日、マイアミにあるサムズクラブとウォルマートの看板。世界最大級の小売業者は、厳しい経済状況に直面し、AIへの取り組みを優先している(ゲッティイメージズ)

Walmartは「スーパーエージェント」に注力

 今夏、WalmartはAIリーダーシップを強化し、4つの「スーパーエージェント」に注力する合理化されたエージェント戦略を導入した。マクミロン氏は「CEO直轄の役職の構造変更は数年ぶりだが、取り組みを加速させるために踏み切った」と説明した。

 同社は今後もAIエージェント戦略を進化させ、顧客対応のAIアシスタント「Sparky」の高度化や従業員の業務効率化を図る計画だ。

 「従業員向けのスーパーエージェントも構築しており、シフト管理から販売データまでを一元化できるようにする。これはAI活用の第一歩にすぎない」とマクミロン氏は語った。

 まだ初期段階のため、現時点で売上高への直接的な影響はないという。2025年8月1日までの四半期におけるウォルマートの売上高は前年同期比4.8%増の1774億ドルとなった。関税によるコスト圧力を指摘しつつも、同社は第3四半期の見通しと通期の業績予想を引き上げた。

Targetは生成AIとクラウド移行を武器に

 一方、Targetはやや厳しい四半期決算となったが、同社もAIを活用した業務効率化や顧客体験の向上を強調した。

 「AIやその他のツールを活用することで、チームは予測をより正確に、かつ少ない時間で作成できるようになった。われわれはAIの力をチーム全体に本格的に展開し、従業員がゲスト(顧客)に喜びを届ける時間を増やせるよう投資を続けている」――。現COOで2月付けでCEOに就任するマイケル・フィデルケ氏は、水曜日に行われた2025年第2四半期の決算説明会で述べた。

 フィデルケ氏によると、同社は前回の決算発表以降、1万件以上の新たなAIライセンスをチームに導入したという。今後は投資対象を精査し、最もリターンが高く、経営に不可欠な技術イニシアチブにリソースを集中させる考えだ。

 TargetのAI戦略は、10年以上にわたるクラウド移行と生成AIの試行を経て本格化している。同社は顧客心理の低迷や売り上げ減少といった課題に対応するためにも、テクノロジー投資を継続する方針だ。

 ただし、業績は依然として回復途上にある。2025年度通期の売上高は前年比で1桁台前半の減少を見込んでおり、2025年8月2日までの四半期では売上高が0.9%減、純利益は21.5%減となった。

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