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賛否呼ぶ「スポット保育士」 スキマバイトアプリ使う現場の実態は?(2/3 ページ)

ひとりの母親が匿名ブログで待機児童問題を訴えた「保育園落ちた日本死ね」騒動から9年。待機児童数はピークだった8年前の1割未満、令和7年4月時点で2254人(こども家庭庁調べ)にまで減ったが、また次の論議が熱を帯びてきた。単発の求人と働き手をマッチングする、スキマバイトアプリ経由で働く「スポット保育士」の存在が賛否を呼んでいる。

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産経新聞

 取材時は大庭芳恵さん(39)が2歳児クラスに配置され、昼食を終えた子供たちの寝かしつけを行っていた。小中学生3人の子の母でもあり慣れた様子だ。もともと事務職だが、子育て中に助けてもらった恩を返したいと通信教育で2年間学び、5年前に保育士資格を取得。昨秋からスポット保育士として働きだした。「保護者の不安や拒否感もすごくわかる」と大庭さん。「ただ、人手不足の中で保育が行われることのほうが怖い。保育の『質』の確保には十分な『量』が前提になる。批判は働き手や園よりも、長年の保育士不足を放置してきた行政に向けてもらえたら」

 最初の仕事はアプリに届いた前夜の求人だった。「先生(正規保育士)の急病だろうか? 私で力になれれば」と申し込んだ。スポット保育士として働くにはアプリ運営会社を通じて保育士証と履歴書に加えて毎月検便を提出するほか、爪を短く切り、ピアスや派手な髪形、厚化粧不可などの縛りがある。一方、スキマバイトのCMでは居酒屋などで気軽に働くイメージが強調され、「保育士も同じ感覚で見られている」。

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