人材はどこから来るのか? 外国人、AI、自動化に委ねる2040年の労働市場:2040年の人材ビジネス大予測(3/4 ページ)
日本の労働力人口は2060年に4500万人へ減少。都市と地方の格差、介護負担の増大、経済縮小など多面的な影響が社会全体を揺るがそうとしている。
労働力激減による労働環境の劇的変化
労働市場の未来予測を、今から15年後の2040年に照準を合わせて考えてみましょう。
今後、日本社会はこれまでにない大きな変容期を迎えることになります。そこには「1100万人の担い手不足」という衝撃的な未来が待ち受けています。
日本の人口は少子高齢化の影響で急速に減少し、特に生産年齢人口(15歳から64歳までの労働可能な人口)の減少が深刻です。生産年齢人口の減少に伴い、労働市場は激しい変化にさらされ、企業の採用環境は劇的に変わろうとしています。
この変化がどのようなインパクトをもたらすのか、そしてそれに対してどのように対策を講じるべきかについて考察します。
労働供給の減少は、多くの企業に人材不足の課題を突きつけることになります。これにより、企業は優秀な人材を確保するために、これまで以上に採用活動に力を入れる必要が生じます。採用力向上と離職抑止が、給与水準を上昇させる圧力となり、結果として人件費が増加します。これに伴い、企業の利益率が低下するリスクもすでに現実化しています。
これまで長期にわたって「買い手市場」であった採用市場は、すでに「売り手市場」に移行しつつあります。特に、ITエンジニアやデータサイエンティストといった高度な専門スキルを持つ人材は、企業からの需要が非常に高く、引く手あまたの状況です。
厚生労働省の統計によると、2040年にはデジタルテクノロジーの領域だけでなく、建設業、医療・福祉、農業など幅広い分野で大規模な人材不足が予想されています。特に介護分野では、すでに2020年の時点で約30万人の人手が不足しており、2040年には70万人以上にまで膨れ上がると予測されています。AI技術者やデータサイエンティストといった専門職の年収は、現在の平均800万円から、2040年には1500万円を超える可能性があります。
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