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なぜジャポニカ学習帳は「今」リニューアルなのか 14億冊の歴史に2つの変化週末に「へえ」な話(4/4 ページ)

ショウワノートの「ジャポニカ学習帳」が大幅にリニューアルする。1970年に発売し、今年で55年。なぜこのタイミングで変更するのか。

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大切なポイントは3つ

 ジャポニカ学習帳をつくる上で、大切なポイントを3つ紹介しよう。1つめは、編集作業。通常のノートと違って「解説」があるので、その表現には注意を払っている。発売後に、内容が変わることもあるので、そのたびに改訂を繰り返しているのだ。

 2つめは、文章の表現。小学2年生には理解できても、1年生には理解できない表現がある。「1年生にも理解できるようにするには、どうすればよいのか」といったことを考えながら編集していくので、通常のノートと比べ時間がかかるそうだ。

 3つめは、写真の解説。掲載している写真の中には、名前が分からないものもあったという。さまざまな文献をあたったり、専門家に聞いたりしたものの、それでも分からない場合はどうするのか。例えば「この花はユリ科です。名前は付けられていません」などと紹介していた。

 生まれ変わった学習帳でも、1つめの編集と2つめの表現に手を抜くことはできない。ただし、写真の解説に関しては役目を終えるため、ほんの少し肩の荷が下りることになりそうだ。


巻頭巻末の読み物付録「学習百科」

 最後に、気になった点を記しておきたい。

 よく考えてみれば、ただの学習帳をめぐって大人たちがネット上で熱く議論するのは、なかなか不思議なことである(原稿を書いている筆者が言うのもなんではあるが)。子どものころに使っていたノートの記憶は、意外と鮮明に残っているもの。そのため今回のリニューアルは、単なるデザイン変更にとどまらず、かつての利用者の記憶を呼び覚まし、新しい印象を重ねる出来事になっているのだろう。

 もちろん、実際に変わったのは写真がイラストになっただけである。小さな変化にすぎないが、それでも人によっては「絵(え)っ!?」と思わず驚くほどのインパクトがある、ということだ。

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