「応募10倍」は本当に可能? 中小企業のSNS採用活用法(1/3 ページ)
就活生747人を対象とした調査では、選考に進む際に最も重視するのは「会社の雰囲気」であることが分かった。では、それを伝えるにはどうすれば良いのか。「求人広告」ではない“ある手法”が、今後の人材採用の鍵となるかもしれない。
高田桂太郎:
株式会社リソースクリエイション代表取締役CEO。2015年に同社を設立し、これまで1000社以上の採用コンサルティングを手掛ける。SNS採用マーケティング「エアリク」を展開し、自社総フォロワー150万人超、総再生回数10億回を突破。
東京商工リサーチの調査によると、今年の上半期に「人手不足」を理由に倒産した中小企業数は過去最多となった。日本の労働市場では依然として深刻な人手不足が続く中、人材確保は特に中小企業にとって大きな課題となっている。しかし、従来の採用手法である「求人広告」だけでは訴求力が弱く、差別化が求められているのが現状だ。
2026年卒業予定の就活生747人を対象とする調査によると、選考に進む際に最も重視するのは「会社の雰囲気」という回答が過半数に上った(リソースクリエイション社調べ)。また、約9割の就活生が「企業のSNSアカウントは必要だ」と答えており、社内の様子や働き方を発信できるSNSの需要が高まっていることがうかがえる。特に、文章だけでなく、画像や動画で情報を得られるInstagramやTikTokの人気が高い。
一方で、総務省の調査によると、2023年のSNSの国内利用者数は1億580万人を超え、企業の採用アカウントも急増している。そのため、単にアカウントを開設して投稿するだけでは埋もれてしまい、求職者に見つけてもらうことは容易ではない。
この課題を解決する有効な手段が、SNS広告である。SNS広告を活用すると、事前に設定したターゲットのおすすめ欄に自動的に表示されるため、潜在層にも直接訴求できる。
ただ、InstagramやTikTokの「運用」と「広告」では、それぞれ得られる効果が異なる。互いの強みを生かすことでより大きな成果につなげるため、両者の特徴と効果を理解し、適切に使い分けることが重要だ。
本稿では、SNS運用とSNS広告の違いを明らかにするとともに、SNS広告の効果的な利用法について解説したい。
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