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「君はむしろ他社の方が合うかもね」 採用面接で、優秀人材をあえて“突き放す”ことも必要なワケ(2/3 ページ)

優秀な人材を採用するために必要なことを、人事コンサルタントとして活躍している株式会社人材研究所の曽和利光社長に聞いた。

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――優秀な人材に自分の会社の志望度を上げてもらうために、具体的にはどのようなコミュニケーションが効果的ですか?

 面接は3つのステップで考えています。

ステップ1:信頼を得ること

 まず、面接官自身が自己開示し、候補者との距離を縮めることが大切です。「どんな価値観を持ち、なぜこの会社で働いているのか」といった自身のことを話すことで、候補者が安心して話せる環境が整います。自分を明かさずに質問ばかりしてしまうと、候補者にとっては“知らないおじさんから詰問されている”ように感じてしまい、本音は引き出せません。

ステップ2:本音を引き出す

 信頼関係が築けたら、ようやく本音が出てきます。「実は御社にはこういう懸念がある」といった不安や、「本当はこういう軸で会社を選んでいる」という本心が聞けるようになります。表面的な志望動機や建前ではなく、リアルな価値観を聞き出すためには、このステップが不可欠です。

ステップ3:効果的な動機付け

 本音を引き出した上で、それに合った情報を提供することが、真の動機付けにつながります。重要なのは、“こちらから口説く”のではなく、“相手に気づかせる”こと。例えば、競合他社と比較して説得するのではなく、「どういう軸で企業を選びたいのか?」という問いを投げかける。相手が自ら言語化した価値観に対して、「それなら当社が合っているかもしれないですね」とフィードバックする。これが「自分で決めた感覚」を持たせるアプローチです。

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