「ChatGPT」「Gamma」を使いこなし、パワポ資料を作る方法【プロンプト紹介】(1/2 ページ)
パワーポイントを使った資料作りにやたらと時間を取られてしまう、という人も多いのではないでしょうか?
この記事は、『生成AI最速仕事術』(たてばやし淳著、かんき出版)に掲載された内容に、かんき出版による加筆と、ITmedia ビジネスオンラインによる編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。
パワーポイントを使った資料作りにやたらと時間を取られてしまう、という人も多いのでは。『生成AI最速仕事術』の著者・たてばやし淳さんは、「2つの生成AI を使うことで、簡単に狙い通りのスライドを作ることができる」といいます。そこで、生成AIへの指示出しのコツなどについて解説してもらいます。
パワポ資料の作成に時間がかかりすぎてしまう……。そんなときは、「Gamma」を活用することで解決できます。
箇条書きのメモや、ChatGPTに整理させた構成案をGammaに入力するだけで、AIが情報を整理し、プロフェッショナルなデザインのスライドへと瞬時に変換してくれます。会議資料や企画書、プレゼン資料など使える場面も多岐にわたります。
ここでは全体の流れとして、ChatGPTを使って骨子を作り、そのアウトラインをGammaに取り込んでスライドを自動生成します。
具体的には、以下のようなステップとなります。
1. ChatGPTでプレゼンの骨子を作成する
2. 生成したアウトラインをGammaに貼り付け、AIで自動的にスライド化
3. テーマや色、フォントなどを調整し、可視性の高いプレゼン資料に仕上げる
このようなステップを踏む理由は、Gammaでのスライド生成をする前に、事前にChatGPTでプレゼンの骨子を整理しておいた方が、狙い通りのスライド構成を実現しやすいからです。
ChatGPTでプレゼンのアウトラインを作る
事前準備:ChatGPTでプレゼンの骨子を作成する
プレゼン骨子をChatGPTで効率よく作りたいときには、以下のような定型プロンプト(要望や条件をAIに伝えるための指示文)を利用すると便利です。
【プロンプトの型:プレゼンのアウトライン作成】
以下の条件を踏まえたプレゼンテーションのアウトラインを作成してください。
あなたは優秀なビジネスコンサルタントです。私はこれからプレゼンのアウトライン作成を依頼します。
# 条件(固定部分)
- 文体トーン:ビジネスライク
- スライド形式:各スライドにタイトルをつけ、その下に箇条書きを配置
- 図やグラフの活用を提案すること
- スライド数の目安:5〜10枚
# 誰に、何を伝えたいか?(可変部分)
{{ここに想定読者、盛り込みたい要素、プレゼンの目的などを箇条書きで書く}}
ここでは、可変部分(毎回書き換える部分)に「想定読者:クライアント企業の担当者/盛り込みたい要素:導入後のコスト削減事例とサポート体制/プレゼンの目的:契約成立」と入力してみます。
すると、ChatGPTは次のようなプレゼン骨子を生成してくれます。
【回答例】
以下は、クライアント企業向けの「契約成立」を目的としたプレゼンテーションのアウトラインです。導入後のコスト削減事例とサポート体制を軸に、ビジネスライクな構成としています。
―――――――――――――――――――――――――――――
スライド1:ご提案の概要
- 現状の課題と市場環境
- 提案の目的と全体像
- 契約後に見込まれる成果の方向性
※冒頭に図解(提案前後の全体イメージ)を挿入
―――――――――――――――――――――――――――――
スライド2:導入による主な効果
- コスト構造の見直しと削減効果
- 業務効率化による人的コスト削減
- 中長期的な投資対効果の見込み
※グラフ(Before/Afterでのコスト比較)を挿入
―――――――――――――――――――――――――――――
スライド3:コスト削減事例①(他社導入実績)
- 業界A社における導入事例
- 導入前の課題と改善内容
- 年間コスト10%削減の実績
※棒グラフまたは円グラフで数値成果を提示
―――――――――――――――――――――――――――――
スライド4:コスト削減事例②(自社事例または他業種)
- 他業種での適用・成功事例
- 応用可能な改善ポイントの紹介
- 波及効果としての部門連携改善
※時系列で改善プロセスを示す図を挿入
―――――――――――――――――――――――――――――
スライド5:安心のサポート体制
- 導入時:初期研修・設定支援
- 導入後:専任担当による継続支援
- トラブル時の迅速対応プロセス
※サポートフロー図(フェーズごとの支援内容)
―――――――――――――――――――――――――――――
スライド6:契約後の導入スケジュール案
- 初期ヒアリングから稼働までの流れ
- 各フェーズの想定期間
- クライアント負担の最小化設計
※ガントチャート形式のスケジュール表を挿入
―――――――――――――――――――――――――――――
スライド7:投資対効果(ROI)試算
- 初年度におけるコスト削減額
- 投資額に対する回収期間の見通し
- 長期的な利益貢献のモデル試算
※表またはグラフによる数値データの提示
―――――――――――――――――――――――――――――
スライド8:導入に向けた次のステップ
- ご契約までの流れと必要事項
- 担当窓口・スケジュール調整の案内
- 質疑応答へのご案内
必要に応じて、最後に「よくある質問(FAQ)」や「導入企業一覧」などの補足資料スライドを追加しても効果的です。資料の作成支援も可能ですので、ご希望があればお知らせください。
前半部分の「#条件(固定部分)」は、毎回固定して使うテンプレートとなっています。状況に応じて、書き換えて使用してください。
後半部分の「#誰に、何を伝えたいか?(可変部分)」は、プレゼンの要件によって箇条書きで記述します。具体的には、想定読者(プレゼンの聞き手やターゲット)、盛り込みたい要素(具体的なデータや商品特長など)、プレゼンの目的(承認獲得や販売促進など)を書き入れることになるでしょう。
例えば、
- 社内の経営陣が対象で新規プロジェクトの予算承認を狙う場合
→「想定読者:役員/盛り込みたい要素:ROIの試算と競合データ/プレゼンの目的:プロジェクト予算の承認を得る」
- マーケティング部門が対象で製品キャンペーンの方向性を話す場合
→「想定読者:マーケ責任者とチーム/盛り込みたい要素:市場調査結果とSNS施策/プレゼンの目的:新製品の効果的な宣伝方法を決定する」
- 社外クライアントが対象でサービス導入を提案する場合
→「想定読者:クライアント企業の担当者/盛り込みたい要素:導入後のコスト削減事例とサポート体制/プレゼンの目的:契約成立」
このように、それぞれのシチュエーションに合わせて箇条書きの要素も変化させてください。
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