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「電通」撤退で露呈した万博の“無策リスク” 海外パビリオン未払い問題(4/4 ページ)

今年4月に開幕した2025年大阪・関西万博の会期は、残り1カ月となった。無策のツケともいえる海外パビリオンの建設費未払い問題。起きた経緯やそれぞれの事情を多角的な視点で検証する。

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産経新聞
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強気の海外業者

 電通の不在、そして万博協会の無策がトラブルを招いた一因との見方がある一方、GL側は産経新聞の取材に対し「ステークホルダー(利害関係者)および当社について事実に反し、誤解を与える発言が相手当事者からあったことは容認できない」と回答。請求元には逆に、債務が存在しないことの確認を求める訴訟を起こしたとも明らかにした。

 GL側はあくまでも強気の姿勢を崩さない。

 ただ電通関係者は、過去に電通が運営に携わった数十億円規模のイベントへ参入するため、GL側が出してきたずさんな見積もりに怒りを覚えたと明かす。

「GLは当初、われわれの想定額よりも約20億円下回る額で受注しようとした。見積書が穴だらけだったので再提出を求めたら、次は当初額より約70億円も高かった。結局は想定額のラインで落ち着いたが、もしも当初額で受注していたら、下請けにカネが流れずトラブルになるのは目に見えていた。見積もりもまるでいい加減。本当にナメているのかと思った」

 電通が関わった過去の万博で、パビリオンの建設費未払い問題が、これほど社会問題化したことはない。電通が蓄積した経験やノウハウを、行政やほかの企業出身の人たちが引き継ぐことはなぜ難しいのか。次の国家イベントを成功させるためにも、改めて考える必要がある。(岡嶋大城)

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