「ジャングリア沖縄」はなぜ叩かれるのか? 大自然と人工恐竜の没入感ギャップ:スピン経済の歩き方(1/7 ページ)
7月25日にオープンしたばかりの「ジャングリア沖縄」が、ネット上で叩かれている。なぜ厳しい意見が飛び交っているのか、その理由は……。
スピン経済の歩き方:
日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。
本連載では、私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」をひも解いていきたい。
「大自然没入型テーマパーク」を掲げて7月25日にオープンしたばかりの「ジャングリア沖縄」が、早速叩かれている。
2017年にオープンした「レゴランド・ジャパン」のように、新しいテーマパークというのはみんな好き勝手に叩くものだが、それを差っ引いても辛辣(しんらつ)な意見が飛び交っているのだ。
まず、実際に来場した人のうち何人かがSNSで「子どもは楽しめるだろうけれど大人は微妙」「アトラクションのCMと実物のギャップがひどい」などの批判的なレビューを投稿している。
確かに、このところ流れていたテレビCMでは、ユニバーサルスタジオジャパン(以下、USJ)をほうふつさせるドラマチックな体験ができるアトラクションをアピールしていた。それを真に受けて期待値が上がっていた人たちが来場して、いざ「実物」を見ると、「あれ? なんか思っていたより……」とガッカリしているようなのだ。
専門家からも厳しい声が挙がっている。例えば、日本遊園地学会の塩地優会長は「テーマパークらしいアトラクションは22の中で3つほどだ」とバッサリ。「最初の1カ月ちょっとは100万人ペースで来場するかもしれませんが、その後はぐっと下がる」と「失敗」を予言している。
では、ジャングリア沖縄はなぜここまで叩かれてしまうのか。人によってさまざまな理由を思い浮かべるだろうが、個人的には「大自然没入型テーマパークと言いながら、いまいち自然に没入できない」問題もあるのではないかと思っている。
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