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生成AIでジャーニー設計はどれだけアップデートできる? “人間らしい”ペルソナを設定するポイント“掛け算”で強くする会社経営(3/4 ページ)

生活者との関係性を深める「顧客体験」(CX)の領域においてこそ、生成AIの真価が表れるのではないでしょうか?

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(2)CX価値の向上(販売員のOMO化)

 生成AIとの対話で、妙に「あたたかさ」「なめらかさ」「こまやかさ」を感じて、思わず悩みを相談したり、頼ってしまったりする……思い当たる方は多いのではないでしょうか。「この体験をデジタルにも持ち込めると、CX向上に大きく寄与できるのではないか」と考え、開発を始めたのが、バーチャル生活者の応用である「バーチャル販売員」です。

 これまでの対話・接客AIサービスでは、顧客は汎用的かつ限られたタイプのアバターと対話をするのが一般的でした。本サービスでは、リアル販売員の多様な人格の個性や特徴を反映した数百から数千タイプものバーチャル販売員を作成可能になりました。

 これにより、顧客のニーズや相性を踏まえた最適な人格のバーチャル販売員と対話・接客ができるようになり、より深い共感と行動喚起につなげられます。また、リアルの販売員をバーチャルアバター化し、オンライン上で接客・対話を行った後、リアル店舗へと誘導する設計も可能です。オンラインでの対話履歴をリアル販売員へ連携することで、顧客の関心や課題をあらかじめ把握した上でのシームレスな接客が実現します。

 このようにAI技術を活用することで、バーチャル販売員は単なるリアルの代替手段ではなく、リアルとバーチャルのハイブリッドな接客UXを生み出す“拡張接客パートナー”として、CX価値を拡張してくれます。企業にとっては、CX向上だけでなく、EX(従業員体験)向上も包括した両側面でのメリットも期待できると考えています。

(3)CXの統合的デザイン/組織間のCX共通認識獲得(CX AIエージェント)

 3点目については、バーチャル生活者のノウハウを発展させ、マーケティング、カスタマーサポート、商品企画、営業支援といった各部門のCX施策を横断的に支援する「CX AIエージェント」としての活用・導入が徐々に進んでいます。具体的には、各組織の役割・機能に個別に対応する「生活者AI」「顧客体験AI」「発想AI」などの専用AIエージェントを実装・配置しています。

 組織ごとの異なる業務に特化しつつも、全ての基盤となっているのが、共通の“バーチャル生活者”モデルです。この人格モデルを、全ての部門が共通で参照・活用することで、部署ごとに異なっていた「生活者の見え方」や「顧客像」の目線がそろい、一貫したCX設計を実現するための“共通の土台”が形成されます。

 例えば、広告チームと店舗運営チームがそれぞれ別の顧客像を思い描いていたとしても、同じバーチャル生活者を通じて理解を合わせることで、語り口や訴求の方向性が整い、ブランド全体としてブレのない体験価値を届けることが可能になるでしょう。戦略立案から施策実行までを「生活者視点」でつなぎ直すこの構造こそが、生成AI時代における全社的なCX構想の中核を担うものだと、私たちは考えています。

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