2010年代の未来予測は当たったのか 2025年から振り返るメガトレンド(1/4 ページ)
メガトレンドは企業戦略の羅針盤となる。2010年代の代表的予測を検証し、「外れ」が示す不確実性から次の一手を考えたい。
日沖博道氏のプロフィール:
パスファインダーズ社長。30年にわたる戦略・業務コンサルティングの経験と実績を基に、新規事業・新市場進出を中心とした戦略策定と、「空回りしない」業務改革を支援。日本ユニシス、アーサー・D・リトル等出身。一橋大学経済学部、テキサス大学オースティン校経営大学院卒。
1.メガトレンド調査の背景
2019年、ある大手IT企業が中期経営計画の策定に向けて役員合宿を行った。その討議素材として、弊社(パスファインダーズ)は「2025-30年にかけての長期事業環境におけるメガトレンドとICTが解決できる社会課題」という調査レポートを提供した。参考にしたのは以下の代表的な未来予測資料である。
・『マッキンゼーが予測する未来』(ダイヤモンド社)
・『近未来予測2025』(早川書房)
・『メガトレンド2017-2026 ICT融合新産業編』『メガトレンド2019-2028』(日経BP未来研究所)
弊社ではこれらを相互参照し、政治・経済・社会・技術のPESTフレームで再整理した。さらに環境省、野村総研、内閣府の長期課題資料を参照して、ICTによる解決が期待される社会課題を抽出した。
※これらの部分は以下の論考からは外しているが、弊社のクライアントと羅針盤倶楽部会員に提供するためのPathfinders Reportに収納している。
2.マッキンゼーが示した「4つの破壊的な力」
『マッキンゼーが予測する未来』は、不可逆的で破壊的な4つの潮流が相互作用し、世界を大きく変えると指摘した。
(1)異次元の都市化:アジアへの重心回帰と、かつてない規模での都市集中。
(2)テクノロジー・インパクトの加速:デジタル化を軸に技術革新と普及が雪だるま式に加速。
(3)地球規模の老化:出生率低下と急速な高齢化。2030年には34カ国が「スーパー老人国」となる。
(4)世界の相互結合度の高まり:貿易、金融、ヒトや情報の移動が加速し、複雑化するグローバルな相互依存。
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