レーシックしたおじさんが、なぜ「伊達メガネ」? 4万円を超えるのにバカ売れ アイウェア市場の新トレンドを探る(1/5 ページ)
国内アイウェア市場は横ばいが続くが、若者からの支持を集める注目領域がある。大手の取り組みなどとともに、現状を解説する。
著者プロフィール
岩崎 剛幸(いわさき たけゆき)
ムガマエ株式会社 代表取締役社長/経営コンサルタント
1969年、静岡市生まれ。船井総合研究所にて28年間、上席コンサルタントとして従事したのち、同社創業。流通小売・サービス業界のコンサルティングのスペシャリスト。
最近、眼鏡をかけたおしゃれな人が増えているように感じます。サングラスをはじめとした伊達メガネが売れていることが大きく影響していると筆者は考えます。
眼鏡、サングラス、伊達メガネ、コンタクトなどを含めた国内のアイウェア市場と、伊達メガネが認知・拡大してきた背景について、流通小売り・サービス業のコンサルティングを約30年続けてきているムガマエ代表の岩崎剛幸が分析していきます。
横ばい市場で「伊達メガネ」が伸びている
筆者のクライアント企業で働く20〜30代の女性従業員が、フレームの太い伊達メガネやリムレス(縁のない)眼鏡をしているのを最近よく見かけるようになりました。こうした現象が、近年増えてきたように思います。
高校生や大学生男子の間でも伊達メガネが流行っているようです。その波は中年にもきていて、私の周りの経営者の中には、レーシックをして視力の矯正をした上で、伊達メガネをかけている方が何人もいます。今や眼鏡は視力を矯正する機能性アイテムとしてではなく、ファッションアイテムとして購入されることが多くなってきたのです。
しかし、日本国内のアイウェア市場規模はこの10年間、大きな変化はありません。眼鏡、眼鏡関連商品、サングラス、コンタクトレンズ関連、その他の売上高合計を含む日本国内の眼鏡小売店を対象にした眼鏡DBによると、年間の市場規模は5200億〜5500億円です。
コロナ禍を除くと大きな落ち込みはないものの、大きく伸びてもいない市場です。この中で、唯一伸びているのが伊達メガネやサングラスなどの、いわゆる「度なし眼鏡」ですが、なぜこれらが今伸びているのでしょうか。
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