レーシックしたおじさんが、なぜ「伊達メガネ」? 4万円を超えるのにバカ売れ アイウェア市場の新トレンドを探る(5/5 ページ)
国内アイウェア市場は横ばいが続くが、若者からの支持を集める注目領域がある。大手の取り組みなどとともに、現状を解説する。
ジェントルモンスターはルイ・ヴィトンのLVMHグループの投資会社から数十億円の投資を受けていたり、グーグルが同社の株式を1億ドルかけて取得し、AIスマートアイウェアを開発すると発表したりしています。
ジェントルモンスターの伊達メガネやサングラスを世界的なアーティストや俳優、K-POPアーティストなどがつけているのがSNSで紹介されたのがきっかけとなり、徐々にファッショングラスという概念が広がりました。
ジェントルモンスターのサングラスや伊達メガネはおよそ4万〜5万円します。しかしこれが飛ぶように売れています。例えば、次の写真の伊達メガネは新商品の折りたためる眼鏡です。
フレームが折りたためて半分の大きさ(写真左上)になるのです。それを入れるケース(写真右上)もスタイリッシュです。これが今とても売れていて「次にいつ再入荷されるかわからない」(同社談)のだそうです。デザイン性に優れ、さらに機能性も備わっていれば、4万円を超えるような高価格の伊達メガネも需要があることが分かります。
2026年以降は「スマートグラス」に注目
確実に市場が拡大しつつある伊達メガネ、ファッショングラス市場ですが、今後、アイウェア市場でさらに注目なのが「スマートグラス」、眼鏡にAI機能を搭載したアイウェアです。
以前からスマートグラスは注目が集まっていましたが、ゴツすぎるデザインが敬遠され、消費者の間ではわりと不評だったように思います。それがここにきて、IT各社がラグジュアリーブランドや眼鏡ブランドとコラボし始めて、デザイン的に洗練させていこうとしています。
例えば、グーグルはジェントルモンスターとの共同開発以外にも、グッチなどのブランドを多数展開するケリング社のケリング アイウェアともAI機能搭載のスマートグラスを開発すると発表しています。
メタは眼鏡ブランドを多数傘下に持つフランスのエシロールルックスオティカと共同で、開発を進めてきたスマートグラスの上位機種「Meta Ray-Ban Display」を9月30日に米国や欧州で発売すると発表しました。スクリーンを搭載した初めての機種ということで注目されています。
メタはエシロール傘下のオークリーとも「Oakley Meta HSTN」というスマートグラスを開発しているようです。これからはIT各社とラグジュアリーブランド、眼鏡ブランドとのコラボにより、スマートグラス市場が眼鏡市場拡大のけん引役になっていくでしょう。
新たな市場を切り開く可能性のあるアイウェア市場にこれからも注目したいと思います。
著者プロフィール
岩崎 剛幸(いわさき たけゆき)
ムガマエ株式会社 代表取締役社長/経営コンサルタント
1969年、静岡市生まれ。船井総合研究所にて28年間、上席コンサルタントとして従事したのち、同社創業。流通小売・サービス業界のコンサルティングのスペシャリスト。「面白い会社をつくる」をコンセプトに各業界でNo.1の成長率を誇る新業態店や専門店を数多く輩出させている。街歩きと店舗視察による消費トレンド分析と予測に定評があり、最近ではテレビ、ラジオ、新聞、雑誌でのコメンテーターとしての出演も数多い。直近では著書『図解入門業界研究 最新 アパレル業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本[第5版]』を刊行した。
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