車中泊に「横になれる深夜バス」サービスまで……ホテル価格高騰で生まれた新ビジネスたち(1/3 ページ)
インバウンドの増加などで高騰するホテル料金。昨今は、ホテル以外に宿泊できるサービスがどんどん登場している。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
ホテル代の高騰や夜間の移動ニーズの高まりを受け、車中泊や夜行バス、複合カフェといった新しい宿泊・仮眠サービスが注目されている。今回は、こうした低価格で便利なサービスの最新事情を見ていく。
ロードサイド店舗で「車中泊」サービス
ローソンは7月から房総半島の複数店舗で車中泊サービスを開始した。ロードサイドの駐車場が広い店舗が対象だ。スーパー銭湯が近くにあり、民家から離れているなどの諸条件を基に選定したという。キャンピングカー普及を目的とする業界団体、日本RV協会が認定する「RVパーク」の実証実験として2026年6月末までサービスを提供する。
利用料金は1区画につき2500〜3000円で、チェックインは午後6時以降、チェックアウトは午前9時まで。店内トイレを利用できるほか、電源ドラムの貸し出しやごみ袋の配布も行う。
コロナ禍以降はキャンプ・アウトドア需要の拡大とともに車中泊のニーズが高まった。宿泊費がかからないため、ホテル価格の高騰が進む昨今、コストパフォーマンスの良さから注目されている。
キャンピングカーの人気も高まっている。日本RV協会によると、2024年のキャンピングカー販売売り上げ総額は、過去最高となる1126.5億円だった。一方で国土交通省は「道の駅」における宿泊目的の利用を原則禁止としており、堂々と泊まれる場所が少ないのは課題だ。ローソンが提供する店舗では現状空きが目立つが、東海道沿いなど交通量の多いところでは“満室”になる可能性も見えてくる。
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