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2025年上半期、「人手不足倒産」が過去最多 倒産増加が目立った業種は?
帝国データバンクの調査で、2025年上半期の人手不足による倒産が過去最多を更新したことが分かった。
帝国データバンクの調査によると、2025年4〜9月に従業員の退職や採用難、人件費の高騰などを原因とする倒産は214件に上り、過去最多を更新した。
人手不足による倒産は前年同期の163件から51件増加し、過去最多を3年連続で更新した。
業種別では、軽貨物を含むトラック運送業を指す「道路貨物運送業」が33件で、前年同期の19件から大幅に増加した。介護スタッフや派遣人材の不足が影響し、「老人福祉事業」(11件)や「労働者派遣業」(8件)でも倒産が増えた。
2025年7月に帝国データバンクが実施した「価格転嫁に関する実態調査」によると、コストの上昇分を商品やサービスの価格にどれだけ転嫁したかを示す「価格転嫁率」は全業種で39.4%となり、2年半ぶりに4割を下回った。特に人手不足による倒産が増えた道路貨物運送業では28.6%で、全業種平均より10ポイント以上低かった。
こうした中、2025年度の最低賃金は1121円と、2024年度から66円引き上げられた(全国加重平均)。帝国データバンクは、「今後も賃上げ機運は継続すると見込まれるなか、賃上げ余力のない中小・小規模事業者を中心に、『賃上げ難型』の人手不足倒産が高水準で推移する懸念がある」と分析した。
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