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宇宙人がバイト? セブン謎CMの“真意”が分かるとゾッとする理由スピン経済の歩き方(1/5 ページ)

「宇宙人がバイト?」「神様がオーナー?」など、話題になっているセブンの新CMシリーズ。その裏に隠されたコンビニ業界が掲げる「ビジョン」とは――。

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スピン経済の歩き方:

 日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。

 本連載では、私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」をひも解いていきたい。

 「宇宙人がコンビニバイト? 世界観がよく分からん」「しかもこのコンビニオーナー、40超えたオッサンにバイト勧誘するなんてあり得ないんだけど」

 少し前、そんな“ツッコミ”がSNS上で多く寄せられたのが、大手コンビニチェーン「セブン-イレブン・ジャパン」(以下、セブン)の新テレビCMシリーズ「なにがあるかな、セブン‐イレブン。」だ。


新CMシリーズのキービジュアル(出典:セブン‐イレブン・ジャパンのプレスリリース、以下同)

 9月3日から放映されているのでご覧になった方もいらっしゃるだろうが、このCM、かなりユニークというかシュールな設定である。嵐の櫻井翔さんと相葉雅紀さんが地球にやってきた宇宙人で、俳優の天海祐希さんが演じるオーナーのもとでバイトをしながら、「旨さ相盛おむすび」や「セブンカフェベーカリー」などの魅力的な商品に出会っていく……というストーリーで、10月7日から中川家礼二さんがラーメン店の店主役として出演する「麺でウカウカ」篇も放送されている。

 ただ、これだけならCM業界ではそれほど珍しい話ではない。ソフトバンクの「お父さんが犬」やサントリーの「名優トミー・リー・ジョーンズが宇宙人」など、シュールな設定は山ほどある。にもかかわらず、なぜこの宇宙人CMは評判が悪いのかというと、冒頭でも触れた「バイト勧誘シーン」が原因だ。

 シリーズ初回の「宇宙人あらわる」篇では、セブンの店舗前で夢を追ってバイトを辞める青年を激励している天海さんの前に、宇宙からやって来た櫻井さんと相葉さんが現れる。天海さんが「宇宙人の世界の神様」と瓜ふたつであることに衝撃を受けている2人に対して、すかさず天海さんがこんなことを言うのである。

 「あんたたち、バイトする?」


9月に全国発売を開始した「旨さ相盛おむすび」

 ご存じのように、櫻井さんも相葉さんも若く見えるが共に43歳と42歳で、お子さんもいらっしゃる。そういう世間的に立派な「中年」にいきなり路上で声をかけて、アルバイトを勧誘するというのがあまりにも現実離れしており、設定上の粗さが気になってしまって「宇宙人」やら「神様」という世界観が素直に頭に入ってこない、という方がたくさんいるようなのだ。

 さて、そこで次に皆さんが気になるのは、なぜ天下のセブンが櫻井翔さん、相葉雅紀さん、天海祐希さん、という豪華スターをキャスティングして、一流のCMクリエイターにも依頼をして、こんな「謎CM」を制作してしまったのか、ということだろう。

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