ドンキは本当に最強なのか? 地方スーパーが突きつける“一強多弱”の限界(1/7 ページ)
国内外で快進撃を続けるドンキに異変か。圧倒的な現場主義で拡大を続ける一方、地方発スーパーが「超本社主義」で成長を遂げ、王者の牙城を脅かし始めている。
草刈貴弘氏のコラムについて:
企業を取り巻く環境は、グローバル化やデジタル化、消費者の価値観の変化など、さまざまな要因によって日々変化している。業績の数字だけでなく、その背後にある経営の工夫や市場構造の変化に目を向けることが重要だ。本コラムでは、注目企業の動向を多角的にとらえながら、現代ビジネスの本質や今後のヒントを分かりやすく伝えていく。
スーパー大手の西友が、九州のディスカウントストア大手トライアルに買収され、セブン&アイホールディングスも投資家や競合からの買収提案を受けるなど、小売業界の再編が加速しています。
その中で、小売りの王者の最有力候補として注目されているのが、ドン・キホーテ(以下、ドンキ)を有するPPIH(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)です。
ドンキは、インバウンド旅行者の間でも“日本に旅行したら行きたい店”として知られるほどの人気ぶり。「なぜそこまで知られているのか?」と不思議に思い、その理由を探っていくと、海外展開も含めた巧みな戦略が見えてきました。
もともとは、東京・西荻窪のはずれの小さな店舗から始まったドンキですが、数々のスーパーなどを買収しながら成長を遂げ、今や売上高は2兆円超。小売売上高ランキングで、4位にまで成長しました。
かつての小売業界は、イオンやイトーヨーカドーが上位を占め、三越伊勢丹などもランキングの常連でした。しかし現在では、ドラッグストアの合併やPEファンドによる買収などで業界地図は一変。ドンキを有するPPIHが新たなリーダーと目される存在になっています。
なぜ、ドンキがここまで成長できたのか。今回はその歴史を振り返りつつ、ドンキが“最強”と言われる理由を探るとともに、今後の成長に向けた課題についても考察していきます。
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