「会社の良い面」だけを伝えていないか? 採用のミスマッチ、面接の場でどう防ぐ(1/2 ページ)
早期離職は日本企業における重要課題だ。採用のミスマッチを避けるためには、面接の場をうまく活用する必要がある。面接の場をどのように作り上げればいいのか?
慢性的な人手不足に苦しむ日本において、早期離職は重要な企業課題だ。今回「採用のミスマッチを防ぐ方法」について、就活、採用、育成、研修を支援する上原コンサルティングオフィス代表の上原正光さんに話を聞いた。
――面接で応募者を見極める際に、一番大事なポイントは何でしょうか?
「自社の風土に合うかどうか」です。営業職一つとっても、厳しいノルマを課して成果を競う会社もあれば、チームで協力して目標を達成する会社もあります。まずは自社の特徴を正しく理解したうえで、それに適した人材かを判断することが欠かせません。
よくある失敗が「今の社風を変えたいから、全くタイプの違う人を採用しよう」というものです。新しく入ってきた人材に風土改革を期待するのは酷な話で、うまくいかないことが多いです。組織を変えたいなら、まず既存社員の意識を変える必要があります。
――応募者側も同様に「自分がこの企業に合うか」を探っていると思います。両者のミスマッチを避けるために、どのような取り組みができるでしょうか?
採用面接には、入社後の離職を未然に減らす役割もあると考えています。離職を防ぐには「会社の良い面ばかりを伝えない」ことがとても大切です。残業の有無や転勤の可能性、配属先のバリエーションなど、入社後に「聞いていなかった」と不信感が生まれる可能性がある要素は事前にしっかり伝えるべきです。
現実を知ったうえで入社を決めてもらう方が、結果的に定着率は高まります。多くの企業が実践していることですが、社員とのカジュアルな面談を通して「この先こういう人になりたい」と思えるモデルケースを見つけてもらったり、見学会で会社のことを多角的に知ってもらう機会を設けたりすることも効果的です。
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