インタビュー
「24時間・完全セルフ」大阪のうどん店、オープン3年でどうなった? 売上半分でも4つの成果(3/5 ページ)
大阪の豊中市に誕生した、24時間セルフのうどん店「惑星のウドンド」。オープン3年で売り上げはどうなったのか……。
現金決済用の「つり銭」は廃止
これまで、窃盗は2件あった。無人でつり銭を用意していたので、それを盗まれたわけだが、カメラに映っていたこともあり、いずれも最終的には全額返金された。
無人でお金を置いていることに批判もあったが、すぐには廃止しなかった。齊藤氏は「性善説に基づく運営が本当に機能するのか、データを取りたかった」と語る。
売り上げと料金箱に入っている金額があわないこともあったが、多めに入れる人や、つり銭の取り忘れなどがあったようだ。その後、キャッシュレス決済の割合が増えたことで、現在はつり銭を廃止している。
この3年間で、大きなトラブルは起きていないという。夜にかけて来店が増える傾向にあり、週末の夜は酒を持ち込む客もいるが、少し散らかる程度だ。キッチンの器具が壊されたり、飲食チェーン店で起こったような調味料にイタズラされたりといった事態は発生していない。
想定外の使い方をされる場合もそれぞれ対応した。例えば、麺用の釜でゆで卵を作る客がいたものの、注意喚起を掲示して電子レンジでゆで卵を調理できる道具を設置したところ、被害はなくなった。
「開業前に見積もっていた損失を超えたことや、想定外のトラブルは一度もない」と齊藤氏は語る。性善説に基づく無人運営が、3年間にわたり機能していることが確認できる。
実際、筆者が訪れた際も店内は清潔に保たれており、トッピングコーナーや調理器具も整然と配置されていた。カメラが設置されていることで、「見られている」という意識が芽生え、モラルの維持に一役買っているようだ。
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