自社のビジョンは明確ですか？ 4割が「そう思わない」 ミドル世代ほど傾向強く

トップ保険サービス（福岡県北九州市）の調査によると、約4割が「自社のビジョンは明確だと思わない」と回答したことが明らかになった。

[サトウナナミ，ITmedia]

　企業が掲げる「ビジョン」や「理念」は、組織の方向性を示す羅針盤といえる。しかし、社員の多くは、その羅針盤を明確に認識できていないようだ。

　保険代理店のトップ保険サービス（北九州市）の調査によると、会社員の約4割が「自社のビジョンは明確だと思わない」と回答したことが明らかになった。

ビジネスパーソンの就業環境に対する満足度調査（写真AC）

若手よりもミドル世代以上に閉塞感

　勤めている会社の経営理念・ビジョンについて、「明確だと思う」とした人は60.2％。一方で、4割が自社の経営理念・ビジョンが「明確でない」と感じていることが明らかになり、経営側にとって課題が見える結果となった。

勤めている会社の経営理念・ビジョンは明確だと思うか（トップ保険サービス調べ）

　会社の目標について「明確だと思う」とした人は57.8％となった。年代別で見ると、50代で「明確だと思う」とした人は52.5％で、20代よりも約10ポイント低い結果となった。

会社の目標は明確だと思うか（トップ保険サービス調べ）

　仕事に関する重要な決定に関わる機会が「ある」とした人は44.4％だった。年代別では、20代の50.5％が「ある」とした一方で、他の年代は5割に満たなかった。また、役職者が多いはずの40〜50代は特に低い結果となった。

仕事に関する重要な決定に関わる機会があると思うか（トップ保険サービス調べ）

　社内は風通しがよく情報が適切に共有されていると「思う」とした人は56.1％に上った。年代が上がるにつれて「風通しがよい」と感じる割合は低下する傾向が見られた。

社内は風通しが良く情報が適切に共有されていると思うか（トップ保険サービス調べ）

　会社からの評価に「満足している」とした人は53.0％、「不満がある」とした人は46.9％と、拮抗する結果となった。「不満がある」とした割合は、20代は11.1％にとどまった一方、年代が上がるにつれて増加。50代では25.0％に達した。

会社からの評価に満足しているか（トップ保険サービス調べ）

　会社の待遇（給与・賞与）に「満足している」とした人は46.7％、「不満がある」とした人は53.3％となり、「不満がある」人がやや上回った。年収別に見ると、年収が上がるにつれて「満足している」人の割合は増加する傾向となり、「年収400万円未満」と「700万円以上」では29.2ポイントのギャップが見られた。

会社の待遇（給与・賞与）に満足しているか（トップ保険サービス調べ）

　現在の職場に対して総合的に「満足している」とした人は59.4％と6割を占める結果となった。

現在の職場に対して総合的に満足しているか（トップ保険サービス調べ）

　「満足している」とした人からは「人間関係もよく、給料にもある程度満足しているから」（48歳 女性）、「給与などの待遇は不満だが、ワークライフバランスは取れており、仕事そのものもやり甲斐はあるから」（49歳 男性）といったコメントが寄せられた。給与面だけでなく、仕事のやりがいや人間関係などが挙げられ、職場環境に関わる要素も職場への満足度に影響していることが分かった。

　調査は4月17日にインターネットで実施。全国20〜59歳までのビジネスパーソンを対象とした。サンプル数は488人（20代117人、30代126人、40代125人、50代120人）。