「AIが使えなければキャリアが終わる」 中高年エンジニアが抱く危機感
「AIを使えなければキャリアが終わる」――そんな危機感を抱く中高年エンジニアは少なくないようだ。モロ(東京都港区)は、40〜60代のITエンジニアを対象に、働き方やAIスキルへの意識について調査を実施した。
生成AIの急速な発展が進む中で、ITエンジニアのキャリアにおける「生存条件」も変化している。「AIを使えなければキャリアが終わる」――そんな危機感を抱く中高年エンジニアは少なくないようだ。エンジニア向け求人サイトを運営するモロ(東京都港区)は、40〜60代のITエンジニア600人を対象に、働き方やAIスキルへの意識について調査した。
AI「使う場がない」「禁止されている」というエンジニアも
現在携わっている業務において、AIはどのような存在なのか尋ねたところ、最も多い回答は「便利ツール(あれば助かる)」(40代:51%、50代:56%、60代:44%)となり、いずれの年代でも約半数を占めた。
「必須ツール(ないと困る)」とした人は、40代では18.5%、50代では10.5%、60代では9%にとどまった。40代が最もAIを積極的に業務へ取り入れている傾向が見られた。また、「使う場面がない」は、年代が上がるにつれて増加する結果となった。一部で、業務への利用が禁止されているという回答もあった。
職種別で見ると、プロジェクトマネージャー(PM)で「便利ツール(あれば助かる)」とした人は67.4%。「必須ツール(ないと困る)」とした人は12.6%となり、合わせて約8割がAIを活用している様子が明らかになった。
一方で「使う場面がない」としたバックエンドエンジニアは38%、フロントエンドエンジニアは39.7%、インフラエンジニアは35.2%と、いずれも4割近くを占め、AIの現場浸透にばらつきがある現状が見受けられる。
エンジニアにAIスキルは必要か?
AIスキルの必要性について、「ないとキャリアが成り立たない」「競争力で差がつく」と回答した人は、いずれの年代においても8割前後を占めた。
「ないとキャリアが成り立たない」とした人は40代が最も多く、33.5%に上った。若い世代ほど、AI技術を「エンジニアとして働き続ける条件」として意識していることが分かった。同社は「AIスキルはもはや若手だけのテーマではなく、40〜60代のエンジニア全体において『キャリアを延ばすための前提条件』として定着している」と推察している。
調査は9月にインターネットで実施。40〜60代のITエンジニア600人(40代・50代・60代各200人)から回答を得た。
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