エンジニアなしで「AIエージェント」を作れる時代 日本マイクロソフト役員が語る可能性(2/2 ページ)
生成AIを調べ物やナレッジ獲得のために利用する人は多い。しかし、日本マイクロソフト エバンジェリスト 業務執行役員の西脇資哲氏は、「本当に必要なのは、何かをやってもらうというアクションであり、それを行えるのがAIエージェントだ」と語る。
AI活用で「時間と金」を得る 経営者が向き合うべきワケ
イベントで西脇氏は、実際にAIエージェントと協業して業務を進行するイメージを紹介した。
例えば、音声入力を活用し、主要国の政策金利についてまとめた資料を制作し、その内容を数カ国語に翻訳する様子を見せた。
音声でCopilotと仕事をするデモ。ここでは世界の金利の一覧表を作成している。国名、金利、金利が変更された日付、法定通貨、中央銀行名と共に作表したり、各国の経済政策や経済状況などをコメントとして入れたりしている
これまで担当者が数時間かけて完了させていた作業を、AIは数分で完了した。
西脇氏は、「時間とお金をかければ、私たちにできないわけでもない。しかし、AIエージェントと会話するだけで仕事が完了するのであれば、エージェントにお願いすべきだ」と話す。
「AIによって私たちが手にするのはお金と時間だ。だからこそ、AIをどのように活用するかを経営者は考えないといけない。AIが経営にどのように貢献するかを考えるべき時代に入っているのだ」(西脇氏)
AIエージェントを“同僚”として信頼するための方法
経済産業省の調査によると、国内では、AIツールを積極的に活用する企業で働きたいと考える求職者が78%であり、世界ではAIスキルのない人材を採用しないと考える企業が66%という結果に。
この数字を受け、西脇氏は「人を採用するためにも企業はAIツールを積極的に活用しないといけないし、企業はAIスキルを持つ人材を採用したいと考えている。採用した人に仕事を達成させるのではなく、その人のスキルで作ったAIで仕事を達成することを、企業は考えている」と話す。
一方で「信頼の置ける人でなければ一緒に働けないのと同じで、AIエージェントも信頼できないといけない」と懸念点を語る。
「AIエージェントそれぞれに、社員と同じようなIDを付与して管理すること、AIエージェントが言ってはいけないことを言っていないか、やってはいけないことをやっていないかなど監査対象にすること。これにより、信頼してエージェントに業務を任せられるのではないか」(西脇氏)
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