「コンデジ」人気が7年ぶり復活、なぜ？（1/3 ページ）

[産経新聞]

　スマートフォンの普及に押されてきたコンパクトデジタルカメラ（コンデジ）の人気が復調している。2024年の国内向け出荷台数が7年ぶりに増加に転じ、25年も1〜8月の累計で前年同期を1割超上回るなど好調だ。牽引役はSNSへの写真や動画の投稿が多い20〜30代の女性で、メーカーも新商品を相次いで投入。再び市場が活性化する様相を呈している。

ビックカメラ有楽町店ではカメラ売り場入口の目立つ場所に特設コーナーを設けている＝23日、東京都千代田区（永田岳彦撮影）

新商品続々「しばらく続く」

　「少し画質が粗く懐かしい感じの『平成レトロ』といわれる独特な写真が昨年頃からはやっていますね」

　ビックカメラ有楽町店（東京都千代田区）の売り場担当者は、最近のコンデジ人気をこう語る。同店では今年初めから、コンデジの特設コーナーを設けた。売れ筋は1万5千円〜2万円前後だが、5万円以上の高額な商品の問い合わせも増えているという。「メーカーも新商品を相次いで投入しており、しばらく人気は続く」と話す。

　カメラ映像機器工業会の統計では、コンデジの国内向け出荷台数は07年は992万2千台に達したが、スマホの普及で市場が縮小。カシオ計算機やオリンパスが撤退したり、事業を売却したりした。23年は39万1千台とピーク時の25分の1まで減ったが、24年は43万8千台と7年ぶりに増加に転じた。