株価急騰のソフトバンクG 孫正義氏「OpenAIに全力を注ぐ」、吉と出るか凶と出るか
AIブームによって、SBGの株価は急騰している。しかし、AIへの強い信念にはリスクも伴う。市場では「AIバブル」への懸念が高まりつつあり、SBGが過去に負債頼みで行った投資失敗を繰り返し、極めて高い評価額の企業に過剰投資しているのではないかという見方もある。
ソフトバンクグループ(SBG)は、生成AIへの熱狂的な投資が続く中で、11月11日に第2四半期の決算を発表する。このAIブームによって、SBGの株価は急騰している。
しかし、AIへの強い信念にはリスクも伴う。市場では「AIバブル」への懸念が高まりつつあり、SBGが過去に負債頼みで行った投資失敗を繰り返し、極めて高い評価額の企業に過剰投資しているのではないかという見方もある。
孫正義氏「OpenAIに全力を注ぐ」 吉と出るか凶と出るか
当面のところ、データセンターなどAIインフラへの投資が勢いを増し、SBGが出資する米OpenAIをはじめとするAI開発の先行企業が急成長を見込む中で、アナリストはSBG株の目標株価を引き上げている。
SBGは2024年4月、ChatGPTの開発元であるOpenAIへの最大400億ドル(約6兆円)規模の資金調達ラウンドを主導すると発表した。このときOpenAIの評価額は3000億ドルだった。さらに同年10月、ロイターが報じた関係者情報によると、SBGは他の投資家らとともに、OpenAI従業員が保有する株式66億ドル相当を買収するコンソーシアムの一員となり、このときの評価額は5000億ドルに達していたという。
SBGの株価は10月下旬に1株あたり2万7315円の最高値をつけ、4月初旬の水準から4倍以上に上昇した。ただしその後はやや調整し、11月10日の終値は2万2255円だった。
現在の株価は、これまで中国のEC大手Alibabaの株価と連動していた時期とは異なり、SBGのOpenAIへのエクスポージャー(投資関与度)を反映していると、米Jefferies証券のアナリスト、アトゥル・ゴヤル氏はリポートで指摘している。SBGはもはやAlibabaに有意な持ち株を保有していない。
個人投資家はSBGを、AIおよびOpenAI関連のハイリスク・高ボラティリティ銘柄とみなしている一方、機関投資家は「勢いを認めつつも、OpenAIの潜在的成長をそのまま過大評価することには慎重だ」とゴヤル氏は述べている。
SBG創業者であり最高経営責任者(CEO)の孫正義氏は6月、「OpenAIに全力を注ぐ」と語り、今後10年以内に「人工超知能」(Artificial Super Intelligence)の最大のプラットフォーム提供者になることを目指すと宣言した。
しかし、OpenAIや他のAI企業が、これほどの高い評価額に見合う利益を生み出せるかは未知数である。ロイターが10月に報じたところによると、OpenAIの損失は拡大しているという。
また、9月には、SBGがOpenAIと共同で日本の企業顧客向けにAIサービスを提供する合弁事業を設立する計画が「大幅に遅れている」との情報筋の話もあった。この合弁会社は先週、ようやく正式に発足した。
孫氏は、過去にも巨額の利益と損失の両方を経験してきた。2000年のドットコム・バブルでは急成長と崩壊を経験し、2017年と2019年に立ち上げた総額1700億ドル超のソフトバンク・ビジョン・ファンド(Vision Fund)は、設立以来ほとんど収益を上げていない。
英LSEGが実施したアナリスト3人の平均予想によれば、SBGは7〜9月期に2070億円(13億7000万ドル)の純利益を計上する見通しである。ただし、同社の業績は大きく、予測困難な変動があることで知られている。
(1ドル=150.78円)

Copyright © Thomson Reuters
関連記事
1GPUで動く"国産AI"の挑戦――NTTが仕掛ける「tsuzumi2」、巨大モデル全盛に一石を投じるか
GPT-5が大学院生なら、楽天のAIは高校生レベル? それでも挑む“日本語特化AI”の勝算
楽天では約3万人の社員のほとんどが、社内向けAI「Rakuten AI for Rakutenians」を日々活用。非エンジニアも含め社員自らがつくったAIツールは、日報・月報の作成や営業の育成プログラム、翻訳や開発のテスト自動化プログラムなど、すでにその数は2万を超えている。
流入「80%減」 AI検索で大打撃を受けたHubSpotは、どうやって“未来の顧客”を取り戻した?
米HubSpotはAI検索の影響を大きく受け、ブログへのトラフィックが80%減少した。同社はどうやって“未来の顧客”を取り戻したのか。ヤミニ・ランガンCEOが語る。
