マックもスタバも「紙ストロー」廃止 新たに導入した「エコなプラスチック」は本当に環境効果があるのか?(1/3 ページ)
環境への配慮から、紙ストローを導入してきたマクドナルドとスタバが、2025年にいずれも廃止してプラ製へ切り替えた。プラ製ながら環境にも配慮していることをアピールしているが、果たして本当に効果はあるのか?
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
日本マクドナルドが紙ストローの提供を廃止する。2022年に再生可能な素材、リサイクル素材の使用を掲げ、プラスチックストローを紙ストローに切り替えたが、11月19日からストローなしで飲める蓋「ストローレスリッド」を導入する。
スターバックスも、2020年から提供していた紙ストローを1月からプラスチック製に切り替えた。「吸いにくい「リップの付着が目立つ」など消費者からの不評もあり、紙ストローの廃止に至ったとみられる。紙ストローの代替として「リサイクル」「バイオマス」がトレンドになってきている。
不評が目立った
2020年代からSDGsの一環で、企業がプラスチック関連の環境対策を強化するようになった。2020年7月には小泉進次郎環境相(当時)主導で、レジ袋の有料化が義務化。マクドナルドでも、2022年10月から全国の店舗で紙ストローや木製スプーンの提供を開始した。「2025年末までに、すべてのお客様提供用パッケージ類を、再生可能な素材、リサイクル素材または認証された素材に変更する」をコミットメントに掲げ、環境への配慮をアピールしていた。
とはいえ、紙ストローを徹底していたわけではない。マックシェイクなど、粘性があって吸いにくいものはプラスチックで提供していた。また、客が取り換えを希望した場合もプラスチック製のストローを提供してきた。
紙ストローは消費者から不評を買うことが多かった。「吸いにくい」「唇につく」「ふやけて吸いにくさが増す」といった意見が多く、機能性に問題がある。マクドナルドはそうした声に対応すべく、希望者にはプラ製を提供してきた。
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