マックもスタバも「紙ストロー」廃止 新たに導入した「エコなプラスチック」は本当に環境効果があるのか?(2/3 ページ)
環境への配慮から、紙ストローを導入してきたマクドナルドとスタバが、2025年にいずれも廃止してプラ製へ切り替えた。プラ製ながら環境にも配慮していることをアピールしているが、果たして本当に効果はあるのか?
「ストローレスリッド」とは、どんなものなのか?
新たにマクドナルドが提供するストローレスリッドは中身が見える透明の蓋だ。プラスチックは石油由来成分から合成する「バージン(新品)」が一般的だが、ストローレスリッドは100%、リサイクル由来のものを用いている。具体的な仕入れ経路は公表していないが「使用済みPETボトルを回収し、粉砕・洗浄・消毒されたリサイクル素材」とのこと。
一般的にリサイクルしたプラスチックはバージン品よりも耐久性や強度が劣るため、自動車など産業用用途では開発途上にある。エンプラや繊維強化プラスチックでリサイクル品を用いる事例は少ない。だが、ペットボトルのように強度が不要なジャンルでは既に普及している。日本コカ・コーラは2021年5月から主要製品で100%のリサイクルペットボトルを導入した。
スタバは「バイオマス」で代替
紙ストローの廃止はスターバックスの方が早い。2020年から全国の店舗で紙ストローでの提供を開始し、年間約2億本分のプラスチックストロー削減を目標としていたが、この1月からプラスチック製に戻した。こちらもマクドナルド同様に、客が希望した場合はプラスチック製で提供していた。
スタバが紙ストローに代わって導入したのは「バイオマス度99%」のプラスチックストローで、素材に化学メーカー・カネカが開発した生分解性バイオポリマー「Green Planet」を用いている。Green Planetは微生物がつくるプラスチックで、通常の環境下で分解される生分解性を有しており、海水中に漂うと90日で原型がなくなるほど分解されるという。Green Planet製のストローはセブンでも導入実績がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

