待遇より「企業風土」? 社員が去る職場の特徴とは
従業員調査では、働く上での満足度に影響する要因として「給料」が必ずと言っていいほど上位に並ぶ。しかし、社員が「辞める職場」と「残る職場」を分ける理由は、本当に給料だけなのだろうか。スコラ・コンサルトが調査を実施した。
働く上での満足度に影響する要因として、真っ先に挙がるのは「給料」だろう。しかし、社員が「辞める職場」と「残る職場」を分ける理由は、本当に給料だけなのだろうか――。組織の変革支援を手掛けるスコラ・コンサルト(東京都品川区)が調査を実施した。
同社は、全国の社員100人以上の企業に勤める一般社員・管理職2106人を対象に、転職や働くことに関する意識についてアンケート調査を実施した。
「1年以内に辞めたい」その理由は?
現在の勤務先の状況について尋ねた。
- 「有給休暇を取得しやすい雰囲気がある」(38.0%)
- 「公平性や倫理、コンプライアンスが重視されている」(31.9%)
- 「ワークライフバランスを取りやすい」(24.2%)
――といった項目では、否定的な回答よりも肯定的な回答の方が多い結果となった。
一方で「仕事が属人化されており、特定の人に負荷が集中している」とした人は40.2%に上った他、
- 「保守的で、新しい考えや取り組みは受け入れられにくい」
- 「社内政治・根回し・忖度の文化がある」
- 「トップダウンが強く、社員の意見が採り入れられることは少ない」
――とした人はそれぞれ2割ほどを占めた。組織全体の文化・風土に関しては、否定的な意見が多いと分かった。
勤務先の状況と転職意向の関係を調べたところ、「1年未満に転職したい」と考えている回答者は「転職をまったく考えていない」という回答者に比べて、
- 「上司に相談しにくい」
- 「同僚と相談や助け合いをしにくい」
- 「コンプライアンスが重視されてない」
――と回答する割合が高い結果となった。短期退職要因は「上司や同僚に相談できない」「コンプライアンス軽視」といった環境にあることが分かった。
転職した理由は?
「転職経験・転職検討経験」があると回答した1986人のうち、1回以上転職したことがある人は49.1%(976人)だった。転職をした理由として最も重要だと思うものについては「給与」が最も多く、「企業風土」「人間関係(特に上司)」が続いた。
転職を考えた主な理由となった「会社の体質や企業風土」については、
- 「社員を大切にしているとは感じられなかった」(47.6%)
- 「長時間労働でプライベートな時間が確保できなかった」(26.4%)
- 「トップダウンが強く、社員の意見が採り入れられることは少ない」(24.2%)
――などが上位に並んだ。
調査は5月23〜26日にインターネットで実施した。
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