国産PHVより100万円以上安く、BYDが日本で仕掛ける戦略
中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)の日本法人は1日、電気を主とする独自開発のハイブリッド技術を搭載した多目的スポーツ車(SUV)のプラグインハイブリッド車(PHV)を日本で発売を始めたと発表した。
中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)の日本法人は1日、電気を主とする独自開発のハイブリッド技術を搭載した多目的スポーツ車(SUV)のプラグインハイブリッド車(PHV)を日本で発売を始めたと発表した。BYDが2023年に日本で乗用車の販売を始めてからPHVを投入するのは初めて。価格は消費税込みで398万2千円からと、日本メーカーのSUVのPHVより100万円以上価格を抑え、浸透を図る。
HVモードでリッター22.4キロ
BYDが今回投入したのは「シーライオン6」。同社はこれまで日本でEVのみを展開してきたが、EVの普及が遅れる一方で、ハイブリッド車(HV)の需要が根強い日本で、販売戦略を転換する。電動モーターとガソリンエンジンを組み合わせて走行するPHVをラインアップに加えることで、国内メーカーのシェアを奪いたい考えだ。
価格は、同様のSUVのPHVではトヨタ自動車のハリアー(547万300円から)や三菱自動車のアウトランダー(529万4300円から)と比べ、100万円以上抑えた。ハイブリッドモードでの燃費性能も1リットルあたり22.4キロとハリアーやアウトランダーを上回る水準としている。
BYD日本法人の東福寺厚樹社長は1日の発表会で「バッテリーを中心に開発してきたBYDの培ってきた力を(日本の自動車ユーザーにも)感じてほしい」と期待を込めた。
HVが6割超す日本市場
日本自動車販売協会連合会の2024年の乗用車の燃料別販売台数によると、HVが61.1%、ガソリン車が31.4%を占める一方で、EVの割合は1.4%にとどまる。充電スタンド不足などの要因もあるが、HVの人気が高い日本市場でEVに頼った浸透は厳しいのが現状だ。BYDは、海外でも好調なPHVを投入することで、日本市場攻略に向けた体制を立て直したい考えだ。(永田岳彦)
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