バーガーキングをゴールドマンが買収 日本市場で苦戦してきた歴史 今度こそ“大化け”するか:長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/5 ページ)
バーガーキングの日本事業を米投資会社のゴールドマン・サックスが買収した。これまでに何度も撤退をしては、運営会社も変わってきたバーガーキング日本事業だが、今後の戦略と展開は……?
著者プロフィール
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。
香港の投資会社アフィニティ・エクイティ・パートナーズ(以下、アフィニティ)は11月18日、バーガーキングの日本事業を米金融大手ゴールドマン・サックスに売却する契約を締結した。
アフィニティが韓国ロッテグループからバーガーキングの日本事業を取得したのは2017年。当時の店舗数は100店舗ほどで、前年に同じく韓国ロッテグループから取得した韓国法人の“ついで”に買収したような印象だった。取得額は約8億8000万円といわれる。
なお、韓国のバーガーキングは、2015年に200店に到達。2022年には400店以上にまで増えた。
今回のゴールドマン・サックスの取得額は明らかにされていないが、報道によれば約700億円。これが正しければ、アフィニティは買収時の約80倍もの価格で売り抜けた計算になる。
2017年からの8年間で、バーガーキングの日本における店舗数は異例の急成長を遂げた。10月31日時点で337店舗となっており、この勢いが続けば500〜1000店舗への拡大も十分可能だ。その将来性を見込めば、さらに高値で売却できる可能性があるとゴールドマン・サックスが判断しても不思議ではない。
アフィニティは、マクドナルドとモスバーガーの2強が長年支配してきた日本のハンバーガー市場において、バーガーキングの日本事業を安く買収した。当時は将来性が疑問視されていたが、地道に育成し、結果として大きなリターンを得た形だ。アフィニティにとっては、投資ファンド冥利(みょうり)に尽きる成果といえる。
本稿では、バーガーキングの日本事業がたどってきた軌跡を振り返り、成功要因を探っていきたい。
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