バーガーキングをゴールドマンが買収 日本市場で苦戦してきた歴史 今度こそ“大化け”するか:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/5 ページ)
バーガーキングの日本事業を米投資会社のゴールドマン・サックスが買収した。これまでに何度も撤退をしては、運営会社も変わってきたバーガーキング日本事業だが、今後の戦略と展開は……?
運営会社が次々と入れ替わった歴史
バーガーキングは1954年に米国フロリダ州マイアミで創業した。現在は世界100カ国以上で約1万9500店舗を展開する、マクドナルドに次ぐ巨大ハンバーガーチェーンだが、日本では厳しい状況が続いた。
1993年、西武グループの西武商事(現・西武不動産)が米バーガーキングとFC(フランチャイズ)契約を結び、日本での展開を開始。同年9月、埼玉県入間市のショッピングセンター「西武入間ペペ」に1号店をオープンした。その後、首都圏に続々と出店したものの、売り上げは伸び悩み、店舗戦略でも米国本部と折り合わず、提携は解消された。
その後、1996年にはJTがバーガーキング・ジャパンを設立し、米バーガーキングの持株会社である英グランド・メトロポリタン社と提携した。新たな体制での日本事業は、森永製菓の子会社からハンバーガーチェーン「森永ラブ」を買収し、25店舗まで拡大。しかし、日本経済のデフレが進むなか、マクドナルドがこれまでの半額となる1個65円でハンバーガーを販売。こうしたファストフードの価格破壊に対応できず、2001年にまたも撤退した。
2007年、バーガーキングは“三度目の正直”として日本に再上陸した。ロッテと、ファーストリテイリングの元社長・玉塚元一氏と元副社長・澤田貴司氏が立ち上げた経営コンサル会社リヴァンプが共同出資し、バーガーキング・ジャパンを設立。社長には、日本マクドナルドを経て日本ウェンディーズ社長も務めた笠眞一氏を迎えた。
1号店は新宿アイランドタワー店。奇しくも日本マクドナルドホールディングス本社と同じビルに位置していた。オープン直後は連日、長蛇の行列ができ、マクドナルドを強く意識したような広告宣伝を次々と展開し、「一泡吹かせてやろう」という気概が感じられた。
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