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バーガーキングをゴールドマンが買収 日本市場で苦戦してきた歴史 今度こそ“大化け”するか:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/5 ページ)
バーガーキングの日本事業を米投資会社のゴールドマン・サックスが買収した。これまでに何度も撤退をしては、運営会社も変わってきたバーガーキング日本事業だが、今後の戦略と展開は……?
“本物志向”とブランド力で風向きが変化
しかし、2008年のリーマン・ショックによる不況の影響もあり、事業は次第に苦戦。2010年には韓国ロッテリアに買収された。買収額はわずか100円で、約14億円の負債も引き継ぐ形だった。
韓国ロッテリアの健闘もあり、店舗数は徐々に回復し、2017年には100店舗近くまで拡大。さらに2010年代にはインバウンドが急増し、和食に飽きた観光客がバーガーキングを訪れるようになった。世界的ブランドとしての安心感も追い風となり、顧客数は着実に伸びていった。
また、2015年には“ポスト・マクドナルド”といわれたシェイクシャックが上陸し、日本のハンバーガー市場にも変化が見え始めた。安価なファストフードだけでなく、少し高くても本当においしいものを求める“本物志向”の層が広がっていったのだ。
バーガーキングが愚直に貫いてきた、パティを直火で焼くシンプルな調理スタイルと、牛肉の旨みを最大限に引き出す姿勢は、この“本物志向”の潮流と重なり、じわじわと支持を集めていった。
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