40代後半の採用が“追い風”に 4割超の企業が「増やす」
転職サービス「doda」を運営するパーソルキャリアの調査によると、2025年度に40代後半以上の人材採用を“増やす”と回答した企業は4割を超えた。
転職サービス「doda」を運営するパーソルキャリア(東京都港区)の調査によると、2025年度に40代後半以上の人材採用を「増やす」企業は4割を超えた。ミドル・シニア層の採用拡大に伴い、人事制度の見直しを進める企業もある。
40代後半以上の人材採用、ニーズと課題は?
2024年度に40代後半〜50代のミドルシニア人材を「5人以上」採用した197社のうち、2023年度と比較した同年度の採用実績が「増えた」のは28.4%、「変わらない」が65.5%、「減った」は6.1%となった。
ミドルシニア採用の主な理由としては「即戦力となる人材が欲しい」(38.0%)が最多。以降は「人員不足を解消したい(欠員補充・急な増員対応)」36.8%、「若手人材の確保が難しい」36.6%と続いた。
2025年度に採用を増やす見込みの240社は、年代別で採用意向は異なるのか。20〜30代が69.6%と最も高かった一方で、40代後半(46.7%)、50代前半(40.4%)、50代後半(42.1%)、60歳以上(40.4%)と、4割以上が40代後半以上の採用増加を見込んでいることが分かった。
40代後半以上の採用を進めるため、人事制度を見直す企業も一定数見られる。
直近1年以内に見直した制度として最も多かったのは「役職定年」(42.4%)。一方、1年以上前に見直した制度として最も多かったのは「定年制度(延長)」(30.9%)だった。また、「見直しが必要だが対応できていない」とした制度として最も多かったのは「定年制度(延長)」(30.9%)だった。同社は「人事制度の柔軟な見直しがミドルシニア採用拡大にとって不可欠」としている。
人事制度の見直しに当たり、企業が抱える課題として最も多かったのは「対応できる人材の不足」(39.8%)。以下「専門的な知識の不足」(33.1%)、「既存社員の不安や不公平感」(25.4%)が挙がった。
調査は企業の中途採用担当者約1300人を対象に8月29日〜9月1日にインターネットで実施し、2024年度にミドルシニアを採用した企業の担当者505人の回答から調査結果を作成した。
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