まず見るのは「コメント欄」? 消費も進路も“他人基準”で決まる若者たち(1/2 ページ)
消費や進路も身近な他人のおすすめで決まる――。今の若者は「自分の欲しい」を持たないのか。その背景を読み解く。
この記事は、金間大介氏、酒井崇匡氏の著書『仕事に「生きがい」はいりません 30年の調査データが明かすZ世代のリアル』(SBクリエイティブ、2025年)に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。なお、文中の内容・肩書などは全て出版当時のものです。
若者の○○離れ、という言葉を聞いたことがない、という人はもはやいないだろう。そんな中「今の若者は『欲しい』という感情がそもそも生まれにくくなっている」という主張には、もううなずくしかない。キャンパスの中で生活している立場としても、実感することばかりだ。
では、今の若者は本当に「欲しい」という感情が生まれにくくなっているのか。第一の仮説はこうだ。「そうです。本当に『自分はこれが欲しい』っていうのはないんです」というもの。
この仮説は、特に年上の世代の人たちにとっては理解しがたいらしい。ただ、誰でも「どっちでもいいな」と思うことは多々あるはずだ。あくまでも「どうでもいい」ではなく、「どっちでもOK」のほう。
例えば、ファミレスのメニューを考えてみてほしい。立ててあるグランドメニューを開くと、どれも魅力的でおいしそうだ。まさに「どれでもOK」な状態。テーブルについた誰もがそう思っている時は、ちょっとたちが悪い。空気が微妙な濁り方をする。
そんなとき「お母さんがこのチーズインハンバーグがおいしいって言ってた」と誰かが言う。まさに神の一声。これ以上の神様は他にいない。このときのポイントは、いかにあなたを優柔不断かではない。その母親からのレコメンドがあなたの心に刺さり、本当にそのメニューがおいしそう、食べたい、とあなたが思っているところだ。
その証拠に、店員さんにこう言われたらどう思うだろう。
「すみません、そちらは本日、終了となってしまいました」
このときの落胆の深さは、うそではないはずだ。きっとあなたは「もう口がハンバーグモードになってたじゃん!」と言って、5分ほど挫折から立ち直れない。
何が言いたいのかというと、こういうことだ。
周りの誰か、特に自分に近くて信頼できる人が勧めたものは、そっくりそのまま自分の欲しいものになり得るということ。
このエピソードは、しょせん「晩ご飯何食べる?」程度のものだ。だから人からのおすすめをそのまま取り込みやすい。が、この感覚が消費シーンの全方位に広がっているのが、今の若者たちだ。
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