連載
「ホワイトすぎるから辞めます」って本当? 若者の退職理由に潜む、もうひとつの意味:スピン経済の歩き方(1/6 ページ)
「ホワイトすぎる」ことを理由に退職をする若手社員が増えているようだが、本当にそれが退職理由なのだろうか。退職者が離職理由を伝える本当の目的を考えてみると……。
スピン経済の歩き方:
日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。
本連載では、私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」をひも解いていきたい。
「やっぱ労働環境の改善だけじゃなくて、成長が実感できるような職場じゃないと」
「というよりも、最近の若者は家庭でも学校でも甘やかされて育ってきてるから、誰かにガツンと叱ってもらいたいんだって。本人のためにも適度にプレッシャーかけてやったほうが成長するんだよ」
先日、マネジメント層の人々がSNS上でこのような議論で盛り上がった。以下の記事が注目を集めたからだ。
- 「ホワイトすぎるので辞めます」残業ゼロ・怒られない…なのに不安で辞める若手たち(ダイヤモンド・オンライン 2025年5月2日)
ご存じの方も多いだろうが、いま会社を辞める際に、こうした理由を告げる若手が増えている。2年半前にも以下のニュースが流れ、そのときも「労働環境と厳しさをどう両立すべきか」という論争になった。
- 「ホワイトすぎる職場」去る若者急増 「ゆるいと感じる」背景に…“仕事の負荷低下”(テレ朝news 2022年12月19日、現在はリンク切れ)
ただ、このときにも本連載で述べさせていただいたが、企業でマネジメントで関わる方たちは、「ホワイトすぎるので辞めますという若手が増えている」という話をそこまで真に受けないほうがいい。
- 「上司よ、もっと叱ってくれないか」 若者は本当にそんなことを考えているのか(ITmedia ビジネスオンライン 2022年12月20日)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「JALとANA」どこで違いが生まれたのか? コロナ禍を乗り越えた空の現在地
インバウンド需要が旺盛で、日本の観光業界が盛り上がりを見せています。では、航空会社の業績はどうなっているのでしょうか。JALとANAの決算をベースに分析したところ……。
「年収700万円」の人が住んでいるところ データを分析して分かってきた
「年収700万円」ファミリーは、どんなところに住んでいるのでしょうか。データを分析してみました。
7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。
「辞めたけど良い会社」 ランキング ワースト30社の特徴は?
辞めたけれど良い会社は、どのような特徴があるのか。IT業界で働いた経験がある人に聞いた。
【マナー】風邪をひいた上司に一言 「お大事にしてくださいね」はアリ?
上司が風邪をひいた場合、どう言えばいいのか。「お大事にしてくださいね」はアリ?
