「割高」イメージを乗り越えて、モスバーガーが「大復活」できた理由(4/4 ページ)
モスバーガーが好調だ。一時は価格競争で劣後して割高感もあったが、近年はその評価が一変し始めている。
ブランド戦略と商品開発の一体化が奏功した
モスバーガーの経緯をまとめると、デフレ時代でも2等地戦略で質の維持に努め、それが近年のインフレで評価されるようになり、業績が好調に推移した。「お金を出すなら、より良いものを食べたい」という消費者の心理がモス好調の根底にあると筆者は考えている。デフレ時代にマクドナルドがしかけた安売り競争に参加していれば、差別化できず、違う結果をもたらしていたかもしれない。
話題性のある新商品を出せるようになったことも近年の特徴だ。モスフードサービスは2019年にブランド戦略や商品開発などの部門をマーケティング本部の傘下に異動させ、商品開発とマーケティングを一体化した。
以前は開発主導で、マーケティングの結果が反映されにくい開発体制だったが、一体化によりこれを改善。発売から1年で1700万食を記録した「新とびきりシリーズ」のように、近年は新商品がヒットしており、組織再編の結果が現れている。同シリーズではバーガーを単品690円から提供。パティに国産牛を100%使用し、プチぜいたく需要を取り込んだ。
定番セットの価格帯は1000円程度で、マクドナルドよりも高く、バーガーキングと同程度である。価格帯は同じだが、バーガーキングが肉質を訴求する一方、モスバーガーは野菜系に強く差別化ができている。女性客の人気が高いのも特徴だ。店舗数も再び1300店舗を突破しており、モスバーガーはしばらく好調が続くかもしれない。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
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