昭和とZ世代の板挟み……それでも30〜50代「半身タイプ」が職場のキーパーソンになる理由(2/2 ページ)
最近、職場において問題になっている「世代間コミュニケーションの分断」。今回は、昭和世代とZ世代の双方の価値観を知る「半身タイプ」に焦点を当て、彼らの持つ強みを最大限に生かす方法を考えたい。
「半身タイプ」が持ち味を発揮できるのはどこ?
半身タイプが組織内で効果的に機能するためには、上下の世代とのコミュニケーションにおいて以下のポイントを意識することが重要です。
◇上の世代(埋没タイプ)とのコミュニケーション
1.経験への敬意を示す
埋没タイプの豊富な経験と技術に対して敬意を示し、その価値を認める姿勢が信頼関係構築の第一歩です。そして、上の世代の経験知を引き出して、自分自身や下の世代に渡していくようなコミュニケーションを活性化させると良いでしょう。
2.変革の意義を丁寧に説明する
上の世代が持っていた「当たり前」。例えば、「全員参加の飲み会」や「対面重視の会議」などは若手には受け入れられにくいものです。しかし、そこには「チームの一体感を醸成したい」「微妙なニュアンスを共有したい」という合理的な目的があったはずです。
半身タイプの役割は、その「目的」(本質)を汲み取り、「今の時代なら、飲み会ではなく、短時間の1on1やチャットでのこまめな称賛で実現しましょう」と、手段を現代風に「編集」して提案することです。 ベテラン世代の「想い」を汲み取りつつ、若手世代が納得する「手段」に変換する。これができるのは半身タイプだけです。
◇下の世代(孤別タイプ)とのコミュニケーション
1.問題意識を真摯に受け止める
孤別タイプの鋭い問題提起や一見わがままにも見える発言を「若いから分かっていない」と切り捨てず、真摯(しんし)に耳を傾けることが重要です。彼らの感覚は、組織の未来にとって貴重なアンテナとなります。
2.「なぜ」を共有する
組織の伝統や慣習についても、単に「そうすべきだから」ではなく、その背景にある理由や価値を説明します。意味を理解することで、孤別タイプの納得感が大きく変わります。
3.個の成長と組織貢献の接点を示す
孤別タイプは個人の成長や意義を重視する傾向があります。組織への貢献が、個人の成長ややりがいにどうつながるのか、その重なり合うところを広げていくための対話が必要です。過剰な情報に目移りして熟達の道から遠ざかりやすい下の世代に対して、仕事や組織の意味・意義を実感させてあげられるのも半身タイプなのです。
半身タイプは、組織内の「分断」を「多様性による創造性」へと転換する鍵を握っています。その立ち位置の難しさを認識しながらも、組織全体のコミュニケーションを活性化する触媒となることが期待されています。今後の日本企業の変革と成長において、半身タイプの役割はますます重要になっていくでしょう。
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