学習塾、「三重苦」で過去最高の倒産件数 大手では「大幅増益」も、どこで差がついた?
学習塾の倒産件数が過去最高を記録した。大手塾では大幅増益を実現したところもあるようだが、なぜここまで違いが出ているのだろうか?
学習塾の倒産が増えている。帝国データバンクによると、2025年の倒産件数は46件で、前年(40件)を上回り過去最多を更新した。少子化、講師確保難、物価高騰が主な要因で、収益が悪化した。
倒産の約9割が小規模経営で、中堅塾の倒産もみられた。コスト増と授業料の値上げ難が重荷となった。加えて、最低賃金の引き上げや、「タイパ」志向の大学生の間で予習や授業外業務負担の大きい塾講師のアルバイトを敬遠する動きが目立ち、講師確保の求人費や人件費が高騰した。
全国的な電気代高騰が固定費を押し上げたほか、都市部ではテナント料も上昇し、収益を圧迫。生徒1人当たりの獲得費用について「数年前の2倍まで跳ね上がった」という声も寄せられた。
大手塾の中はブランド力を武器に、高額な季節講習やオプション講座の追加、さらにはAI教材のシステム利用料やアプリ手数料などでコスト増を吸収し、大幅な増益となった企業もあった。
2024年度の業績を見ると、売り上げ50億円以上の大手塾では減益を含め93.9%が黒字を確保した一方、同5億円未満の中小塾では約4割が赤字となるなど、利益面の二極化が進んだ。
足元では、生徒のメンタルケアやモチベーション管理といった、システム化された大手では対応しきれない「超・個別最適化」を武器に生き残りを図る小規模塾も存在する。
ただ、膨大な入試データとICT投資で攻勢を強める大手塾が、安価な「AI自立学習コース」を新設して中堅校を狙う層や補習層の取り込みを図っており、「難関校は大手、補習は地元」という従来の棲み分けが崩壊しつつあることも分かった。
適性検査をはじめ学科試験以外の入試も広がり、「学力向上」だけでは生き残ることが極めて難しい状態で、帝国データバンクは「独自の付加価値を見出せない塾の淘汰が2026年にかけてさらに加速する」と予想している。
本調査は、2025年1月1日〜12月26日までの企業倒産件数(負債1000万円以上・法的整理による倒産が対象)を集計し、分析した。
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