インタビュー
リコーは「出社」をどう再定義したのか “集まる意味”を問い直した、これからの働き方(4/5 ページ)
出社かリモートかという二項対立ではなく、「集まる意味」そのものを問い直す――。リコーはAIを活用し、会議や業務の在り方を再設計することで、人が創造性を発揮できるワークプレイスづくりに挑んでいる。その狙いと実装の現場を追った。
AIが議論を加速させる仕組み
この思想を具体化したのが、BIL TOKYOのワークショップルーム「Project Cabin」だ。ここでは、AIがファシリテーターとして議論を支援する。
特徴は、役職や年齢などの属性を排除したデジタル空間であること。参加者の発言はリアルタイムでテキスト化され、無記名の付箋として画面上に並ぶ。「誰が言ったか」ではなく、「何が言われたか」を議論の対象とするためだ。
AIは膨大な発言を瞬時に整理し、論点の優先順位を提案する。あるワークショップでは、AIの活用によって3時間要していたプロセスを30分に短縮した事例もあるという。
こうしたAI活用は、単にツールを導入すれば実現するわけではない。リコーでは、自社の業務を徹底的に可視化する「GGプロジェクト」を実施し、ワークショップ1回につき、議論以外の業務に合計37時間が費やされている実態を特定した。
業務をAIで代替した結果、工数は14時間へと圧縮され、62.1%の削減を実現した。数値を可視化したことで、削減した時間をクリエイティブワークへ振り向けるという本来の狙いを実現する土台となった。
企業からの関心も高く、BIL TOKYOには月40件ほどの問い合わせがあり、そのうち約20件は顧客が訪れてのワークショップ開催につながっているという。多くの企業が出社の意義を再定義し、創造的な場を求めていることがうかがえる。
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