ローソンの車中泊は、単なる「場所貸し」ではない 見落とされがちな体験価値とは:グッドパッチとUXの話をしようか(1/4 ページ)
ローソンが実施している「車中泊」サービス、これは単なる「空いている場所を貸す」というビジネスにはとどまらない価値がある。利用者はどのような「価値」を見いだしているのか。
連載:グッドパッチとUXの話をしようか
「あの商品はどうして人気?」「あのブームはなぜ起きた?」その裏側にはユーザーの心を掴む仕掛けがある──。この連載では、アプリやサービスのユーザー体験(UX)を考える専門家、グッドパッチのUXデザイナーが今話題のサービスやプロダクトをUXの視点で解説。マーケティングにも生きる、UXの心得をお届けします。
ローソンの駐車場で車中泊ができる――。そんな話を聞いて、意外に感じる人も少なくないのではないでしょうか。
ローソンは2025年7月、千葉県内の6店舗を対象に、駐車場を活用した車中泊の実証実験を始めました(同年8月に1店舗追加され、現在は7店舗)。事前予約制で、料金は1泊2500〜3000円。チェックインは午後6時、チェックアウトは午前9時という、決められた時間帯に利用する「管理された車中泊」です。
この実証実験で導入されているのは、日本RV協会が認定する「RVパーク」という仕組みです。24時間利用可能なトイレがある、ごみの処理ができる、夜間も安心して過ごせる、といった条件を満たした場所が車中泊スペース「RVパーク」に認定されており、利用者はそこを利用できます。これまで、全国の温泉施設や道の駅の駐車場などで広がってきた枠組みです。今回の特徴は、それが初めてコンビニという場所に持ち込まれた点にあります。
しかし、この取り組みを単に「コンビニの空き駐車場の有効活用」という視点だけで捉えてしまうのは、少々もったいないように感じます。
コンビニといえば、買い物をして、用事が済めばすぐに立ち去る場所。長時間滞在するイメージはありませんし、「泊まる」という行為からは程遠い場所にも思えます。しかし、この取り組みを「ユーザー体験」の視点で見てみると、コンビニだからこその価値が見えてきます。
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