高級チョコのゴディバ、なぜ「低価格帯」に手を伸ばすのか 日常使いの顔を持ったワケ(3/3 ページ)
高級チョコブランドのゴディバが、低価格帯の新業態店舗を増やしている。主戦場だったギフトとは異なる業態だが、どういう狙いがあるのか?
低価格の新業態、ゴディバの「高級イメージ」を壊さないのか?
日常ブランドの新業態店舗を増やすことは、これまでのゴディバの主戦場だったギフトへの送客にもつながっているという。
「ゴディパンなど新業態の店舗でゴディバの商品を食べられた方が、その味を記憶していて、外出した際に『ゴディバ クレープがあるから食べてみよう』と来店につながる流れや、ギフトを買おうと思った際に『以前食べておいしかったからチョコレートも買ってみよう』という体験が生まれています」
実際、池袋駅の駅ビル「西武池袋」の地下1階に位置するゴディパンでパンを購入し、そのまま上階のゴディバ店舗に足を運ぶ客もいるという。
何かのきっかけでゴディバに触れた客が、さまざまな店舗を回遊するという理想的な流れが生まれているようにみえる。この動きは、ゴディバがターミナル駅中や人気の商業施設といった一等地に出店していることにも支えられている。
ゴディバは現在、高級チョコレートブランドと、日常ブランドという2つの顔を持っているが、後者を展開することで、これまで作り上げてきた「高級チョコレートブランド」のイメージを自ら毀損(きそん)してしまう可能性もあるのではないか。ブランドのイメージを保ちつつ、普段使いのゴディバを訴求するためにどのような工夫を意識してきたのか。
「品質を一番大事にしています。例えば、新業態の店舗ごとで味が担保できていなければ、お客さまからの支持は得られないと思います。価格帯が低くても品質には妥協していません。ゴディバ品質を支持いただいているからこそ、高級チョコレートブランドと低価格帯の日常ブランドを両立できているのだと思います」
ギフト市場の変化を受け、ゴディバは「特別な一粒」から「日常の選択肢」へと接点を広げてきた。価格ではなく品質で顧客とブランドをつなぐ、老舗チョコレートブランドの挑戦はこれからも続いていく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
倒産寸前なのに年収100万円アップ 売上38億円のV字回復を実現した、山梨のプリント企業の「決断と狙い」
Tシャツなどのオリジナルプリントグッズの製作を展開するフォーカスは2020年のコロナ禍、倒産の危機に陥った。しかし現在はV字回復を果たし、売り上げは約38億円に上る。この5年間、どのような戦いがあったのか?
年商54億円企業を「突然」継いだ兄弟 役員・社員が辞めていく中でも改革を続けたワケ
2023年12月、不動産会社のハタスで衝撃的な事業承継が行われた。当時、20代前半の兄弟が年商54億円の会社を突然継ぐことになったのだ。自分たちなりに改革を進める中で、役員や社員の退職も起こった。それでも改革を続けた2人の経営論を取材した。
なか卯の「床に置かれた食器」問題 企業の沈黙が呼ぶ“将来の波紋”
10月下旬、なか卯での「床に置かれた食器」の写真がSNSで拡散された。その後のなか卯の対応が適切だったようには感じない。では、どのような対応が求められるのか?
「落とし物DX」で売上15億円 競合だったJR東日本も導入した「find」はどんなサービスなのか
落とし物は誰にとっても身近なトラブルだが、その回収はアナログで非効率なままだった。そんな市場を15億円規模に成長させた「find」とはどんなサービスなのかというと……。
ユニクロのセルフレジ、なぜあれほど「快適」なのか? 「徹底的な分かりやすさ」はこう作られている
セルフレジやセミセルフレジが「分かりにくい」と話題になる一方、ユニクロのセルフレジはなぜ、あんなにも使いやすいのか? 誰でも迷わず簡単に使える「徹底的な分かりやすさ」はどう作られているのだろうか。

