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コロナ禍で大打撃も何のその、「スリム化」でV字回復みせたJTBの“旅行だけじゃない”経営術(4/4 ページ)
旅行会社のイメージも強いJTBだが、コロナ禍の大打撃を乗り越えて、近年はそれ以外の事業にも乗り出している。ここ数年の業績を振り返っていく。
国内外旅行は、まだ需要減が続きそう
2025年3月期の海外旅行部門の売り上げは2243億円と、2020年3月期の4401億円と比較して半分程度だ。日本人出国者の数は2019年に2008万人を記録したが、そこをピークに2021年は51万人にまで減少し、2024年も1300万人と以前の水準より700万人少ない。
2019年に1ドル110円未満だったドル円相場は、円安が進行し、1ドル150円台になった。国内では物価高が進行している。円安と節約志向の上昇で、旅行控えが起きているとみられる。国内旅行の売上高は2024年3月期に2019年度の水準を上回ったが、再び減少に転じている。国内もインバウンドの増加で都市圏のホテル価格が高騰したため、旅行控えが起きており、JTBはしばらく影響を受けそうだ。
もっとも、スリム化を進めたことで収益は改善した。2023年3月期以降、営業利益は3ケタ億円をキープし、2025年度も上期時点で前年の水準を上回っている。国内の実店舗はいずれ足かせになることが分かっていた事業であり、コロナ禍が新陳代謝を促したといえる。売上高の回復は円高による海外旅行の復活を待つ必要があるだろう。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
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