人口が減る街に「イオンモール」は必要か 日本の経済予測が”大甘”になりがちな理由:スピン経済の歩き方(1/7 ページ)
消滅可能性自治体にイオンモールがオープン、人口減少が進む地域に地下鉄延伸、タワマン建設など、なぜこのような計画が各地で起きているのか。もし黒字化できなかった場合、ツケを払うのは……。
スピン経済の歩き方:
日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。
本連載では、私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」をひも解いていきたい。
ちょっと前、「消滅可能性自治体」というものが話題を集めた。
これは、民間有識者で構成される「人口戦略会議」が定義したもので、2020年から2050年までの30年間で、20〜39歳の若年女性人口が50%以上減少する自治体のことだ。
日本には1729の自治体があるが、その約43%に当たる744市区町村が「消滅可能性自治体」に該当するというニュースに、衝撃を受けた方も多いのではないか。
福島県北部に位置する伊達市も、そんな「消滅可能性自治体」の一つだ。
2025年12月1日現在の人口は5万3854人だが、2050年には3万3578人まで減少すると予測されている。20〜39歳の若年女性人口に関しては、2020年に4586人だったものが、2050年には1858人まで減ると見られており、減少率は59.5%減となっている。
- 「消滅可能性自治体」マップ(出典:朝日新聞)
この伊達市に2026年下期、東北最大級の商業施設ができることはあまり知られていない。「イオンモール伊達」である。
東北中央自動車道・伊達桑折インターチェンジからすぐ近くのロケーションということもあり、広域エリアからの集客を見込んでいるにしても「消滅可能性自治体」に新たなイオンモールができることに、驚いた方も多いのではないか。
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